エンタープライズ:ニュース 2002/07/09 21:45:00 更新


日本HP、Itanium 2搭載サーバ2機種を投入

日本ヒューレット・パッカードは、インテルが発表した64ビットプロセッサItaniumの次世代版「Itanium 2」を搭載したサーバの新製品として、ミッドレンジの「hp server rx2600」、ハイエンドの「hp server rx5670」を投入することを明らかにした。

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月9日、同日にインテルが発表した64ビットプロセッサItaniumの次世代版「Itanium 2」を搭載したサーバの新製品として、ミッドレンジの「hp server rx2600」(1/2Way)、ハイエンドの「hp server rx5670」(最大4Way)を投入することを明らかにした。HPはインテルとItanium 2の命令セットを共同研究している。また、Itanium 2に最適化されたチップセットとして、HPは1〜4Way向けの「zx1」を既にリリースし、8〜64プロセッサシステムをサポートするチップセット「Pinnacles」の開発も進められている。また、Itanium 2ベースのワークステーション2製品も発表された。

 この日、HPはItanium 2ベースのサーバおよびワークステーションが3種類のOSをサポートすることを明らかにしている。Linux、64ビット版のWindows .Net Server、そして、同社が提供する「hp-ux 11i ver 1.6」だ。hp-ux 11i ver 1.6は、PA-RISCソースコードを利用して開発されているため、PA-RISC上での信頼性や実績を継承できるという。また、PA-RISCとのデータ、バイナリ、ソースコードとの互換性を持つために、PA-RISCからItaniumへ移行するユーザーの投資を保護するとしている。

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発表会には左から、MSCソフトウェアのバイスプレジデントのクリストファー・セント・ジョン氏、マーケティング統括本部長の松本光吉氏、寺澤正雄社長(左から3人目)、インテルのジョン・アントン社長、日本オラクルの新宅正明社長、日本BEAシステムズのギャレッド・イルグ社長などがそれぞれコメントし、Itanium 2では商業利用が進展することを思わせた

 午前中に発表されたItanium 2は、CISCあるいはPA-RISCなどのRISCではなく、EPIC(Explicity Parallel Instruction Computing)と呼ばれるアーキテクチャをベースにしている。EPICは、明示的な並列命令を可能にするため、無駄の少ない命令実行を行える。システムバスは毎秒6.4GバイトとItaniumの3倍に向上し、3MバイトのL3キャッシュを含む大容量のオンダイキャッシュにより、レイテンシも低減されている。

 また、hp zx1チップセットは、メモリ容量が最大で48Gバイト、メモリ帯域幅は毎秒8.5Gバイト(hp server rx2600)、12.8Gバイト(同rx5670)と広く設計されており、メモリ依存度の高いアプリケーションで高い効果を発揮するという。

 発表会では、Itanium 2を搭載したシステムのパフォーマンスについて、OLTP、SAP SD User、SPECweb99_SSL connections、SPECfp_base2000などのベンチマークも紹介された。

 OLTPでは、Itanium 2/1GHzの4Way構成のrx5670と、Pentium III Xeon 900MHzの8Way構成のデルコンピュータのPE 8450の比較で、rx5670はPE 8450の1.1倍のパフォーマンスを記録している。

 インターネットの認証を載せたSPECweb99_SSL connectionsでは、Itanium 2/1GHzの4Way構成のrx5670と、900MHzの4Way構成のSun Fire V480の比較で、rx5670がSun Fire V480の2.7倍のパフォーマンスを記録したとしている。

 発表されたrx2600は、2Uのラックマウントに対応した2Wayサーバ。Itanium 2プロセッサ900MHz/1.0GHz、zx1チップセット、ホットプラグ可能なディスクを最大3台内臓できる。拡張スロットは、PCI-X(133MHz、64ビット)が4つとなっている。価格は、Itanium 2の900MHz搭載モデルが181.6万円からとなっている。

 一方、4Wayのrx5670は、zx1チップセット、ホットプラグ可能なディスクを最大4台内臓できる。PCI-X(133MHz、64ビット)は3つ、PCI-X(66MHz、64ビット)6つ、PCI-X(33MHz、64ビット)1つとなっている。価格は、Itanium 2の900MHz搭載モデルが517.3万円からとなっている。

 なお、同日は、Itanium 2ベースのワークステーション2製品「hp workstation zx2000」「hp workstation zx6000」も発表された。

 Itanium 2 900MHz/1.5Mバイトキャッシュのプロセッサ、hp zx1チップセットを搭載し、RedHatLinuxプリインストールしたモデルのhp workstation zx2000の価格は、88万8000円となっている。

 また、スーパーコンピュータ並みの計算能力を実現できるというhp workstation zx6000の参考価格は、219万1000円からとなっている。

関連リンク
▼日本ヒューレット・パッカード
▼インテル

[怒賀新也,ITmedia]