エンタープライズ:ニュース | 2002/07/17 20:32:00 更新 |
Breaking News:サイベースとピープルソフトが新タッグ
サイベースとピープルソフトが広範な提携に合意した。この提携は、サイベースがピープルソフトのERPおよびCRM製品を再販することも含み、両社は、サイベースのデータベースおよびアプリケーションサーバと、ピープルソフトのアプリケーションを組み合わせた共同ソリューションを提供することになる見込みだ。
7月17日、来日中の米サイベース社長、マイケル・ビールマー氏が、エンタープライズチャンネルの取材に対し、同社とピープルソフトが近く広範な提携を発表することを明らかにした。
まだ正式な発表には至っていないものの、両社は既に提携に合意したという。この提携は、サイベースがピープルソフトのERPおよびCRM製品を再販することも含み、両社は、サイベースのデータベースおよびアプリケーションサーバと、ピープルソフトのアプリケーションを組み合わせた共同ソリューションを提供することになる見込みだ。
その提携の詳細は、8月にカリフォルニア州サンディエゴで開催されるサイベースの年次カンファレンス「Sybase TechWave 2002」で正式に発表される。
これは、「サイベースが今後、ピープルソフトとヒューレット・パッカード(HP)との3社提携を行う予定があるか」との問いに同氏が答えたもの。
ピープルソフトはサイベースのデータベース製品をサポートするアプリケーションベンダーの中では最大手。アプリケーション分野で最大手のSAPは、サイベースのデータベースをサポートしておらず、自社製のアプリケーションサーバも保有している。2位のオラクルは、自社のデータベースのみをサポートし、Oracleデータベースの優位性そのものをアプリケーションの優位性に結び付けようとしている。
また、世界最大のシステムインテグレーターであるIBMは、SAPと親密な関係にある。IBMはピープルソフトともアライアンス関係にあるが、ピープルソフトが新たなチャネルを求めるのは自然だ。
現在のところ、ピープルソフトは、サイベースのアプリケーションサーバ製品はサポートしていないが、幾つかのJ2EEアプリケーションサーバをサポートしていることから、対応は容易と考えられる。
一方のHPは、独自のデータベース製品を持たず、アプリケーションサーバから事実上撤退する。その後、J2EEを望む顧客にはBEAシステムズ製品を販売し、顧客がマイクロソフトアーキテクチャを望めば、.Net製品を販売する観測が伝えられている。
しかし、HPはこれまで、無償でアプリケーションサーバを提供しており、拡張機能やアドオン技術を有償で販売してきた。その姿勢は、あらゆる製品群を「費用対効果が最も優れている」とアピールするサイベースのものと一致する。
そして、HPもサイベースもピープルソフト製品を社内で利用している。
こうした背景から、この3社提携が実現する可能性もあるとみていたが、ビールマー氏は、今回の提携にハードウェアベンダーを加えるかどうかは未定という。HPとの関係について、コメントはもらえなかった。
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[井津元由比古,ITmedia]