| エンタープライズ:ニュース | 2002/09/03 20:17:00 更新 |

成長神話に陰り? 国内オープン系OS用RDBMS市場は低成長時代へ
IDC Japanが発表した国内オープン系OS用RDBMSソフトウェアに関する市場予測によれば、2001年に785億円だった同市場全体は今後の年間平均成長率は1.7%で推移し、2006年になって855億円に留まる見通しだ。日本オラクルでは、この予測を受け、成長が見込まれるWindowsやLinuxでシェアトップを維持していることを強調する。
IT専門調査会社、IDC Japanは8月末、2001年における国内オープン系OS用RDBMSソフトウェアの市場規模を明らかにした。それによると、2001年の国内オープン系OS用RDBMSソフトウェア市場は対前年比15.3%の成長で、785億円に達したという。しかし、今後の年間平均成長率(CAGR)は1.7%で推移し、2006年においても市場規模は855億円に留まると厳しい予測をしている。
2001年の国内オープン系OS用RDBMSソフトウェア市場のプラットフォーム別の内訳は、UNIXが64.7%、Windowsが33.7%、Linuxが1.6%だった。
景気低迷の状況のもと、企業はIT投資についても厳しく選別を行っており、大規模な案件の凍結や先送りを実施している。企業のこうした動きに対する影響は、特にUNIX市場において顕著であり、同市場の2006年までの年間平均成長率(CAGR)はマイナス5.3%と厳しい状況が予想されるとしている。
一方、Windows市場のCAGRは7.8%であり、2006年には、UNIX市場とほぼ同規模の385億円に達するものと予測される。またLinux市場は45.5%のCAGRで、2006年には83億円に達し、オープン系プラットフォーム全体の9.7%を占めるまでに成長すると見込まれている。
企業のIT投資に対する見方はより厳しくなっており、ソフトウェアライセンスでの収益向上が難しい状況の中、「製品以外のサービスやサポート力で差別化を図ることが重要だ」と話すのは、ソフトウェアシニアリサーチアナリストの梶田久司氏。
WindowsとLinuxでもオラクルがトップ
UNIX向けRDBMSのリーダーである日本オラクルは9月3日、IDC Japanのレポートを受けたリリースを出しているが、特にWindowsやLinuxという、将来成長が見込まれている市場でもシェアトップを獲得していることを強調している。
同社は、オープン系OS用RDBMS全体では、61.1%のシェアがあり、13.5%のマイクロソフト、10.3%のIBMという2位以下を大きく引き離している。マイクロソフトが強いWindows市場でも46.8%と競り勝ち、Linux市場では67.6%と、UNIX市場の68.3%と並ぶ、圧倒的なシェアを確保している。
データベース市場のシェアを巡っては、5月にIBMがメインフレームも含むDBMS全体の世界市場で首位に返り咲いたことをアピールし、オラクルがこれに対して異論を唱えるという騒動もあった。
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[ITmedia]
