エンタープライズ:ニュース 2002/09/05 00:24:00 更新


大幅に落ち込む国内サーバ市場、ガートナー調べ

ガートナージャパンが発表した2002年第2四半期国内サーバ市場の結果は、アナリストのマイナス予想をさらに下回る結果となった。通年でも「マイナス成長に終わるのはほぼ確実」という暗い見通しが立てられた。

 ガートナージャパンは9月5日、2002年第2四半期(4-6月)の国内サーバ市場における対前年同期比の出荷成長率は、台数で17.7%減の8万3205台、金額ベースではで23.2%減の1603億円と大きく落ち込んだことを明らかにした。2002年第1四半期(1-3月)に台数5.7%減と1996年の調査開始以来最低を記録したが、今期は金額ベースでも過去最低の成長率となった。

 同社によると、国内サーバ市場は、2000年第4四半期から成長率が鈍化している。今期の状況について、サーバシステム担当シニアアナリストの亦賀忠明氏は「今期はマイナス成長を予測していたが、予想以上に悪かった」とコメントした。同氏は、これまで国内サーバ市場の成長率は国内GDP成長率と概ねリンクしてきたが、食い違いがでてきていると指摘する。

 落ち込みの原因について、2002年4月以降の米国経済の先行き不透明感から、ユーザーのIT投資に対する意欲が冷え込んだことが挙げられた。

 そして、さらに背景には、市場を牽引する「リーダの不在」があるという。ネットバブルの崩壊で新興企業が消えたと同時に、大手ベンダーもインターネットビジネスをターゲットにしていたことで、ITバブルの崩壊がそれらの大手にも大きく影響したという見方だ。

 多くのベンダーが需要喚起のための戦略立案に苦慮しており、ITの方向性も定まらず、結果的にユーザーがIT投資を手控えている状況。同社は、少なくとも年末にかけて、ITを取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続くとしており、2002年の国内サーバ市場も「マイナス成長に終わるのはほぼ確実」と、暗い見通しを立てている。

IAサーバ市場でデルが2位に浮上

 個別にみると、IAサーバ市場は台数ベースで17.2%減の7万1007台、金額ベースで25.2%減の約400億円となった。ベンダー別では、NECとデルコンピュータ以外のベンダーが台数成長率でマイナスを記録した。NECは8.8%増で25.0%のシェアを確保し、首位の座を守った。デルは4.3%増、シェア18.2%で2位となり、前年の3位からランクアップした。3位は富士通で13.2%減、4位はIBMで13.0%減となっている。

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2002年第2四半期国内IAサーバ市場ベンダー別シェアと成長率(出荷台数) 出典:ガートナーデータクエスト(2002年8月) gartner2.gif
2002年第2四半期国内IAサーバ市場ベンダー別シェアと成長率(出荷金額) 出典:ガートナーデータクエスト(2002年8月)

UNIX市場で富士通がプラス成長

 一方、UNIXサーバは台数ベースで22.6%減の1万673台、金額ベースでは31.0%減の548億円となった。

 台数では、富士通のみプラス成長となった。サン・マイクロシステムズ(サン)は台数成長率で10.0%減となったものの、シェアを8.3ポイント拡大し、59.7%でトップを維持した。2位はHP/コンパックで、成長率は44.5%減、シェアは6.1ポイント減の15.4%となった。3位には富士通が入った。11.0%のプラス成長を達成し、前年同期4位から浮上した。4位はIBMで29.9%減、NECはSGIを抜き5位となった。

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2002年第2四半期国内UNIXサーバ市場ベンダー別シェアと成長率(出荷台数) 出典:ガートナーデータクエスト(2002年8月) gartner4.gif
2002年第2四半期国内UNIXサーバ市場ベンダー別シェアと成長率(出荷金額) 出典:ガートナーデータクエスト(2002年8月)

 ガートナーは1979年に創設され、米コネチカット州スタンフォードに本拠地を置いている。世界規模でITに関するリサーチおよび戦略的分析やコンサルティングを行っている。

関連リンク
▼ガートナージャパン

[ITmedia]