エンタープライズ:ニュース 2002/09/10 19:37:00 更新


「誇りにできる製品を」と日本ピープルソフトの新社長、加賀山氏

日本アイ・ビー・エム出身の加賀山進氏が、9月1日付けで日本ピープルソフトの新社長に就任した。「企業規模が小さいこと」「誇りにできる製品を扱えること」「尊敬できる人と働けること」の3つを条件に新たなキャリアを求めた同氏は、同社をワールドワイドの10%を稼ぎ出す存在へと導きたい考えだ。

 日本ピープルソフトは9月10日、9月1日付けで新社長に加賀山進氏(49歳)が就任したことを発表した。

 加賀山氏は、日本アイ・ビー・エムの出身。アジア太平洋地域におけるアプリケーション事業全般を統括した経験もあり、8社のアプリケーションベンダー(SAP、ピープルソフト、オラクル、J.D.エドワーズ、インテンシア、バーン、SSAグローバルテクノロジーズ、QAD)の製品を扱ってきたという。

 その同氏が、次のキャリアステップを考え始めたのは5月ごろ。「企業規模が小さいこと」「誇りにできる製品を扱えること」「尊敬できる人と働けること」の3つを軸に、新たなキャリアを求め、ピープルソフトはそのすべての条件に当てはまったという。さらに同氏は、もうひとつの理由も付け加える。

「CEOが関心を持つのは、ビジネスプロセスの効率化であり、それはアプリケーションの役目。ハードウェアやセキュリティはCIOに任せておけばいい。パッケージソフトウェアベンダーは、ITの食物連鎖の頂点であり、そこで働きたかった」

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「日本ピープルソフトを次のステージへを導く」と加賀山新社長

 日本市場では、SAPジャパンが圧倒的な地位を築いている。加賀山氏は、SAPだけをライバルと位置付け、「SAPジャパンは1200人以上、われわれは120人程度。10分の1だが、着実に顧客を増やし、せめて2分の1くらいの陣容を整えたい」と話す。

「私は、アプリケーションベンダーの中で、SAPとわれわれだけが生き残ると考えている。米国市場において、ピープルソフトはSAPを凌駕している。日本でも、十分にポテンシャルはある」(同氏)

 現在の日本ピープルソフトは、ワールドワイドの5%以下の売り上げを占めるに過ぎないが、加賀山氏は、「3〜5年後をめどに、10%を目指す」としている。

 なお、加賀山氏の就任に伴い、前社長の石垣清親氏は相談役に退く。米ピープルソフトのギー・デュボア上級副社長は、退任理由について「石垣さんは50代後半であり、日本ピープルソフトの今後5年間に完全にコミットするのは難しい。彼とも話し合って、新たな社長を迎えることに決めた」と話している。

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[井津元由比古,ITmedia]