エンタープライズ:ニュース 2002/09/18 20:32:00 更新


「ITは経営と切り離せないもの」、IBMの大歳社長

日本IBMは、同社の大歳卓麻社長とプレスの懇親会を都内で開催した。システム導入後に運用管理を行うAMSや、グリッドコンピューティングに力を入れることが強調された。また、統合したロータスやチボリとの連携もさらに深めるという。

 日本IBMは9月17日、同社の大歳卓麻社長とプレスの懇親会を都内で開催した。同氏は、全体に景気は厳しいとしながら、企業の5割がIT投資を増加させるとした新聞報道について、「実感しているところ」と話した。製造業におけるサプライチェーンマネジメントシステムなど、「ITは経営と切り離せない」ものとして、今後も市場が成長していくことを示唆している。

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大歳社長

 同氏は、今後の重点戦略として、「次世代e-ビジネス」「パートナービジネス」「ニュービジネス」の3つを挙げた。市場における競争も厳しく、「勝つか負けるかの意識で取り組んでいる」と話した。

 e-ビジネスについては、1997年に同社が名付けことを紹介し、ブロードバンドによる高速な常時インターネット接続の流れについて触れた。同社は、東京・芝にオープンしたセレスティンホテルに、IAサーバとLinuxによるブロードバンドシステムを納入したという。UNIXベースよりも4割安かったとしており、今後は集合住宅などへの導入がさらに増えるという。

 ただし、サーバマシンについては、メインフレームの「zSeries 900」や、UNIXサーバの「Power 4」、IAサーバでは「xSeries 440」など、各プラットフォームで製品ラインが整っていることを紹介した。

 一方、ニュービジネスとしては、最近話題に上ることの多いグリッドコンピューティングについて、グリッドビジネス事業部を立ち上げていることにも触れている。サーバのコストを抑えながら、高性能のコンピューティングを実現するグリッドに注目しているという。

 また、同社はAMS(Application Management Services)にも力を入れる。AMSはシステム導入後に、運用管理などによって顧客企業のシステムのライフサイクル全般をサポートするサービスだ。7月24日に発表したSAPジャパンとの戦略的協業にもAMSが含まれているが、同サービスへの参入としてはかなりの後発組となる。

 重点を置く製品としては、ソフトウェアではWebSphereやDB2、Lotus Notes、Tivoliなどを挙げた。7月に完全統合を果たしたロータスやチボリなどのパートナーとの連携を一層推進していくことが伝えられた。

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[怒賀新也,ITmedia]