エンタープライズ:ニュース 2002/09/25 19:29:00 更新


革新が経済成長を牽引、サンが改めてJavaへのフォーカスを強調

9月25日、JavaOneがパシフィコ横浜で開幕した。同カンファレンスのホスト役で知られるジョン・ゲイジ氏は、「イノベーションは経済の成長に大きく貢献していることがあまり知られていない。今回のJavaOneでは、そこにも焦点を当てていきたい」と話した。

 9月25日、「JavaOne Conference in Japan」がパシフィコ横浜で開幕した。JavaOne in Japanは昨年に続き2度目。27日までの3日間で120以上のテクニカルセッションが行われ、日本開催を意識したJava 2 Micro Edition(J2ME)の機能強化も明らかにされた。

 JavaOneカンファレンスのホスト役で知られるサン・マイクロシステムズのチーフリサーチャー、ジョン・ゲイジ氏は、オープニング基調講演後のプレスカンファレンスで、「イノベーションは経済の成長に大きく貢献していることがあまり知られていない。今回のJavaOneでは、そこにも焦点を当てていきたい」と話した。

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「56.5時間のマラソンカンファレンス」とJavaOneを表現するジョン・ゲイジ氏

 先ごろ、エコノミスト誌が、経済成長を牽引するイノベーションを対象としたアワードをJavaのクリエーター、ジェームズ・ゴスリン氏に贈った。ゲイジ氏は、Javaが単なる技術から製品やビジネスへと拡大していることを強調したかったようだ。

 ゲイジ氏と共にJavaOneの共同ホストを務めるサンのフェロー、ロブ・ジンゲル氏は、Java仕様を生み出すJava Community Process(JCP)の議長を務めているが、彼も「コミュニティーによって技術が拡大したが、それをどう製品化し、ビジネスにしていくのか、その方法をJavaOneで探してほしい」とプレスカンファレンスで話す。

 今回のJavaOneの登録者数は、主催者による公式発表を待たなければならないが、複数の情報を総合すると、長引く景気後退のあおりを受け、昨年の2000人を下回ったことは確実。当のサンも、株価が3ドルを切り、その下落に歯止めが効かない状況だ。

 しかし、「Javaも大丈夫だし、サンも大丈夫。会社の健全性と株価はほとんど関係ない」とゴスリン氏。彼も会長兼社長兼CEOのスコット・マクニーリー氏と同様、「59億ドル」のキャッシュを保有している点を強調した。

 Java担当副社長を務めるリッチ・グリーン氏も「JCPからイノベーションが生まれ、成長が続いている。経済状況は悪いが、サンも研究開発費の多くをJava中心にシフトし、Javaへの投資は増やしている。それがサンにとって生命線だからだ」と話した。

[浅井英二,ITmedia]