エンタープライズ:ニュース 2002/10/03 18:49:00 更新


日本IBM、「UDB2 V8.1」リリース

日本IBMはデータベースの新製品「DB2 Universal Database V8.1 for Linux、Unix and Windows」を発表した。自律型コンピューティングによる技術者の負担軽減、XMLをベースにした外部DBとの連携、オンラインでの構成変更、ディスクスペースの最適化などが特徴となっている。

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は9月4日、都内で記者発表会を行い、データベースの新製品「DB2 Universal Database V8.1 for Linux、Unix and Windows」(UDB2 V8.1)を発表した。自己最適化や自己修復といった機能をベースとする「自律型コンピューティング」を推進し、データ量の増加とともに複雑化するデータベース管理者(DBA)の負担の軽減、コストの削減を実現していく。また、XMLによって外部データベースと連携し、情報を統合化する機能も強化されている。なお、UDB2 V8.1はUDB2 V7の次のバージョンアップとなっており、V8.0は存在しない。

 同社の常務取締役でソフトウェア事業本部長を務める堀田一芙氏は発表会の冒頭、「今後の情報システムは、Flexible、Simple、Slim(FSS)でなくてはならない」と話す。FSSはUDB2 V8でも中心的な設計コンセプトになっている。

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2001年のDBMS市場でDB2が新規ライセンスの売り上げがナンバーワン(2002年3月のデータクエストの資料)だったことを強調した堀田氏

 この日は、米IBMが120人のDBAに行った、データベース管理についてのアンケート結果が紹介された。その中で、「難しい」「実行頻度が高い」「時間がかかる」といった回答が最も多かった作業は、「稼働状況のモニタリング」だった。そのほか、「障害回復」「構成変更」「パフォーマンスチューニング」なども多かったが、いずれもUDB V8.1では大幅な改善が見込めるとしている。なお、2位の「テーブル管理」や7位の「データ移行」の改善については特に触れられていない。

 また、64ビットのサポートをWindows、Linux、UNIX(AIX、Solaris、hp-ux)の全てで実現し、拡張機能や周辺プログラムも含めて、すべてのオープンプラットフォームでの利用が最初から可能としている。

 同社のデータマネジメント・ソリューション事業部長の安田誠氏は、UDB2 V8.1の具体的な新機能について紹介した。大きく分けて、SMART(Self Managing And Resource Tuning)機能による「自律性の向上」と、システム基盤としての「堅牢性アップ」、Webサービスをはじめとする「外部データとの情報統合」の3つ。

 自律性についての新機能の1つは、「ヘルスセンター」だ。これはシステムにメモリ不足などのトラブルや、特定の検索にハードウェアリソースを使い過ぎているといった問題が発生した場合に、それを電子メールやPDAを通じて、管理者に知らせるというもの。管理者はWebブラウザからこれらの問題に対処することができる。結果として、手動で設定する項目が大幅に少なくなるため、従来なら数日かかっていたような作業も数分で行えるようになるという。

外部データベースとの連携

 新機能で最も目を引くのは、XMLをベースにしたWebサービスを通じて、外部のデータベースと連携を行う「フェデレーション」だ。例えば、自社でUDB V8.1を利用している企業が、他社のOracleベースのシステムに対して、クエリーを投入し、データの読み書きをフルに行うことも可能になるという。

 XMLによる統合機能で拡張されたこととしては、SQL関数を用いたXML操作を容易にしたことや、XMLスキーマ検証の自動化、XSLTによるXML変換の自動化、開発ツールの充実などが挙げられた。

 これにより例えば、旅行会社と鉄道会社、航空会社、ホテル組合などが共同で1つの旅行サイトを立ち上げ、シングルサインオンによる認証を通じて、宿泊や交通機関の予約を一元的に行うという、典型的なWebサービスの構築を考えてみても、柔軟に行えることが分かる。

 もちろん、企業同士がデータを更新し合う場合、相互理解をベースにしたシステム対応は不可欠になる。それでも、「異なるシステム間がXMLによって容易につながることはチャレンジングだがすばらしい」と、同社のソフトウェア事業部のITスペシャリスト、菅原香代子氏は話している。

 一方、システム基盤としての堅牢性を向上させるために、システム稼働中の管理機能も改善された。

 例えば、データベースではディスクスペース上に「ゴミ」が溜まりやすく、実際のデータ量よりはるかにファイル容量が大きくなってしまうことがある。これについては、オンラインでのテーブル再編成機能により、余分なディスクスペースを消して、オンラインのままディスクを最適化することができる。さらに、構成パラメータの変更も動的に行うことができる。また、「多次元クラスタリング」機能により、データマイニングなども行える。

技術者の育成

 同社は、DB2の技術者育成にも力を入れる。今年の1月からは、DB2グローバルマスター(IBM DB2 UDB技術者認定制度)の取得者を拡大するために、試験対策セミナーやスキル育成支援プログラムなど、さまざまな施策を行っているという。オラクルマスター認定技術者の受験も急増しているという。

 DB2 UDB Enterprise Server Edition V8.1の価格は1プロセッサ304万6000円から。Workgroup Server Unlimited Edition V8.1は114万6300円、Workgroup Server Edition V8.1は1サーバで14万2300円、1ユーザー3万6800円、Personal Edition V8.1は1インストール5万2700円となる。

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[怒賀新也,ITmedia]