エンタープライズ:ニュース 2002/10/08 21:23:00 更新


3層アーキテクチャ採用で柔軟性を高めた「PATROL 7」

BMCソフトウェアは10月8日、アーキテクチャを一新して3層構造を採用した情報システム運用管理ツールの新バージョン、「PATROL 7」を発表した。

 BMCソフトウェアは10月8日、情報システム運用管理ツール「PATROL」の新バージョンを発表した。価格は100万円からで、11月より出荷が開始される。

 PATROLは、サーバやクライアント、各種アプリケーションの稼働状況とリソースを監視・管理するソフトウェア。だが、単なるシステム基盤管理にはとどまらず、レスポンス測定に基づくサービスレベル管理やパフォーマンス管理、ボトルネックの分析といった分野までサポートしている。

 これまでBMCソフトウェアの直販分だけでも、比較的大規模なエンタープライズやキャリアなどを中心に400社以上の導入があるというが、今回リリースされた「PATROL 7」では、中小規模の顧客にも拡販していく方針だ。

 PATROL 7の最大の特徴は、アーキテクチャが大きく変更されたことだ。PATROLはこれまで、監視コンソールと、監視対象サーバに常駐するエージェントとの2層構造を取っていた。これに対し新バージョンでは、この2つの要素の間に「コンソールサーバ」と、メッセージブローカの役割を担う「RT Server」が加わる3層構造を採用した。各コンポーネントは、従来のPATROL APIに加え、COS(Common Object System)を通じて接続される。

 ここまでの説明だけでは、変更点はあくまで内部アーキテクチャに関するもので、管理者やユーザーには具体的にどんなメリットがもたらされるのか、疑問に思われるかもしれない。

 だが同社は、3層構造を取ることによって、ビジネスニーズに応じた拡張が可能になると説明する。さらに、「COSセキュリティプラグインとして認証や暗号化、アクセスコントロールといった高度なセキュリティ機能を実現できるだけでなく、通信の柔軟性が確保された。XMLやCORBAといった標準仕様を通じて、サードパーティ製システムとの連携を容易に行えるようになる」(同社技術本部ソリューション技術部の太田智氏)。

 また、コンソールとエージェントの間で、システムに関する情報をいったん共有することから、監視システム構成をシンプルに保ちながら、プロファイルに応じて、管理者ごとにカスタマイズした画面を提供できるようになった。しかも新バージョンでは、Windowsベースの従来タイプのコンソールだけでなく、Javaベースのフロントエンドによって、Webブラウザからも管理作業が行えるようになっている。

 BMCソフトウェアではこうした改良を通じて、「大規模から小規模まで、さまざまなシステムを同一アーキテクチャの元でサポートしていく」(同社マーケティング本部ディレクターの藤野雅俊氏)計画だ。標準構成のPATROL 7に加え、監視項目を必要最小限に絞った分、価格も抑えるライト版「PATROL Express」を提供し、顧客のニーズに応じた構成を可能にしていくという。

 なお同社は10月9日、東京全日空ホテルにて「BMCソフトウェア・フォーラム2002」を開催する予定だ。会場ではPATLOR 7やCONTROL-SAといった新製品が紹介されるほか、国内外の導入事例も披露されるという。

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[ITmedia]