エンタープライズ:ニュース 2002/10/23 15:01:00 更新


ストレージも「ブレード化」へ、米ストレージテックが「BladeStore」を発表

米ストレージ・テクノロジーは、ストレージ技術にフォーカスしたカンファレンス「FORUM 2002」の開催に合わせ、ストレージ・ブレードをベースとした新製品「BladeStore」を発表した。

 米ストレージ・テクノロジー(ストレージテック)は米国時間の10月21日、ストレージ技術にフォーカスしたカンファレンス「FORUM 2002」の開催に合わせ、新しいコンセプトに基づくディスクサブシステム「BladeStore」を発表した。

 サーバ市場においては昨今、その機能を1枚の「ブレード」にまとめたブレードサーバが注目を集めている。BladeStoreも名称のとおり、ATAハードディスクを5台搭載した「ストレージ・ブレード」を基本としたディスクシステムだ。

 BladeStoreは、SAN(Storage Area Network)対応のディスクサブシステム「Dシリーズ」に続く新たなディスク製品ファミリ、「Bシリーズ」最初の製品となる。同社はこの製品を、「ATAディスクの低いコストと、ファイバーチャネルのパフォーマンスおよび信頼性を兼ね備えたもの」と表現。これまでになく高いコスト効率の、大容量オンライン・データストレージを実現できるとしている。

 BladeStoreは、ストレージ・ブレードのほか、ディスクアレイシステム「B150」とアレイコントローラ「BC84」から構成されている。

 ストレージ・ブレードは5台のATAディスクドライブのほか、マイクロプロセッサとメモリ、ファイバーチャネルインタフェースを搭載しており、容量は最大で800GBだ。B150ディスクアレイは6Uサイズのきょう体で、このストレージ・ブレードを最大10台まで搭載できる。

 BC84コントローラは、ホスト接続用に2Gbpsのファイバーチャネルを8ポート搭載しており、5台から最大で200台までのストレージ・ブレードをサポートする。データ容量に直せば、4TBから最大160TBという膨大な量だ。またBC84コントローラでは、複数のストレージ・ブレードをまたいでRAID 0/1/3/5を構成することもできる。

 ストレージ・ブレード自体がホットスワップに対応するほか、ストレージテックが提供する管理ソフトウェア「SANtricity Storage Manager」を活用することにより、ダイナミックなボリューム拡張、ストレージ・パーティショニングなどが実現できるという。

 さらに同社は、引き続き、ストレージ・ブレードに搭載するディスク容量の拡張に取り組む方針だ。2003年には1台で1.25TB、B150ディスクアレイ全体では12.5TBを提供できるよう計画している。

 BladeStoreは、米国では11月より出荷される予定だ。日本国内での出荷時期は未定である。

適材適所のストレージを実現

 BladeStore投入の背景には、「適材適所のストレージが必要」という同社の考え方がある。つまり、データの性格や使われ方に応じた、最適なデータ保護方法を提供すべきだということだ。

 現在の状況はこんな感じだ。本当にミッションクリティカルで待ち時間が許されないデータには、SANやSCSIベースの、オンラインの保護が提供されている。また、学術・科学データの計算のように、参照時のスピードは求めないが膨大な量のデータを扱う場合は、テープに代表されるオフライン/ニアラインのデータ保護方法が存在している。

 だが、この2つの方法の間を埋める手段は、これまで存在しなかった。そのギャップを埋めるのがBladeStoreであり、同社の表現に従うと、汎用的な「セカンダリ・データ」「セカンダリ・ストレージ」を実現するという。これにより、例えば「テープよりも高速な読み出し、すばやいリカバリを実現したいが、コスト効率も求めたい」といった要望に応えることができる。

 同クラスの製品として、EMCやネットワーク・アプライアンス、クアンタムなどの製品を挙げることができるが、ストレージテックではパフォーマンスおよび拡張性の点で差別化を図る。さらに今後、業界に特化したアプリケーションと組み合わせ、一体型のソリューションとして展開することも検討しているという。

関連リンク
▼日本ストレージ・テクノロジー

[高橋睦美,ITmedia]