エンタープライズ:ニュース 2002/10/24 14:24:00 更新


Keynote:「適切な情報を適切なデバイスに」とマーチンCEO

米デンバーにて開催されているストレージに特化したカンファレンス、「FORUM 2002」のオープニング・キーノートには、米ストレージ・テクノロジーの会長兼CEO、パット・マーチン氏が登場した。

 コロラド州デンバーにて開催されている「FORUM 2002」は、米ストレージ・テクノロジー(ストレージテック)の顧客約700社に加え、50社以上のパートナーが参加している。

 米国時間の10月23日朝には、ストレージテック会長兼CEO(最高経営責任者)のパット・マーチン氏がオープニング・キーノートに登場。ストレージ業界全体が抱える問題への解決策として、「インフォメーション・ライフサイクル・マネジメント」という考え方を提示した。

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「顧客にコミットすることがビジョン」とマーチン氏

「われわれも、またIBMもEMCでもどこでもいいのだが、管理の複雑さという問題に答えを出すことができている会社はまだない」(マーチン氏)。

 同氏はさらに、昨年9月11日の連続テロ事件以降高まっている「災害対策」「ビジネスの継続」といったニーズへの対応に加え、ストレージのユーティライゼーションなどを業界全体の課題として挙げた。これに対する回答として同氏とストレージテックが掲げているのが、インフォメーション・ライフサイクル・マネジメントという概念である。

「データへのアクセス頻度や使われ方は、アプリケーションや環境にとってまちまちだ。オンラインのデータとニアラインのデータでは性格が異なるのに、同じように一律にディスクに保存する必要があるのだろうか?」(同氏)。

 答えは、「否」だ。同氏の指摘によると、存在するデータのうち80パーセントは、何らかのオリジナルからコピーされたものであり、変更されることはめったにない。こうした分野ならば、コストパフォーマンスが非常に高いテープという選択肢も、信頼性を高めてきたATAディスクという選択肢もある。

 つまり、「適切な情報を、エンタープライズディスクやATAサブディスク、テープドライブなどの中から適切なデバイスに、適切なタイミングで蓄積し、(必要に応じて)移行させていくことだ。今後の情報量の爆発に備える意味でも、また厳しい経済環境という現実を踏まえても重要だ」と同氏は述べる。

 ここで、情報およびデータを、適切なデバイスに自動的に蓄積・保存し、移行させ、管理していくのが、インフォメーション・ライフサイクル・マネジメントというわけだ。しかもこれは、ユーザーにとって複雑ではなく、コスト節約につながらなくてはならない。

 マーチン氏は、これまで提供してきた製品群に加え、新たにリリースした「BladeStore」や大容量テープドライブの「T9940B」といった製品群とソフトウェアおよびサービスを通じて、このプロセスを支援していく姿勢を示した。

 さらに、「今後はストレージの簡素化にいっそう取り組むとともに、サービスビジネスも強力に展開していく。また、電子メールなどに特化したストレージソリューションも提供していきたい」という。

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[ITmedia]