エンタープライズ:ニュース 2002/10/28 23:00:00 更新


「hp procurveはライフサイクル全般のTCOを削減」、日本HPがスイッチ製品販売を強化

日本ヒューレット・パッカードは、企業向けスイッチ製品「hp procurve」シリーズの拡販に取り組む。製品ライフサイクル全般にわたってTCOを削減できることが強みという。

 コンパックコンピュータ(コンパック)との正式統合を目前に控え、日本ヒューレット・パッカード(HP)は、企業向けスイッチ製品「hp procurve」シリーズの販売を強化していく方針を明らかにした。

 同社がhp procurveシリーズを投入してネットワーク機器市場に本格参入したのは1998年のこと。それ以降、ファストパス・テクノロジを搭載した「hp procurve switch 4108gl」やレイヤ3/4に対応した「同5300xL」といったシリーズを追加し、ワールドワイド市場では順調な成長を見せてきた。事実2001年以降は、出荷ポート数ベースで第3位のシェアを獲得している。

 だが国内市場を省みると、なかなか上位に浮上できずにいるのが現状だ。ネットワーク管理ソフトウェアである「hp OpenView」シリーズがデファクトに近い地位を確保しているのに比べると、やや寂しい。

 同社は今後、エンジニア認定制度をはじめとするパートナー支援の強化にはじまり、コンパックとの統合にともなう直販体制の強化、旧コンパックのパートナーとの連携といった施策を実施。合わせて、引き続き不足が指摘されるネットワークエンジニアの強化を図るとともに、主力製品の価格を見直し、「いっそうアグレッシブな値付けをしていく」(同社プロカーブ ネットワーキングビジネス担当マネージャ、小川裕康氏)。まず11月1日に4108glの大幅値下げに踏み切るのを皮切りに、順次新しい価格を提供していく。

 現在ではネットワークというものが企業の重要なインフラとなり、「そこにあって当たり前」の存在となった。スイッチ製品も成熟が進み、かつてのように突出した機能やパフォーマンス、ポート密度といった要素だけに基づいて製品が選択される時代は過ぎ去ったといえるだろう。ここでポイントとなるのは何か。HPがその答えとして打ち出しているのが総所有コスト(TCO)だ。

「hp procurveシリーズは、製品ライフサイクルの管理を視野に入れた製品。機器そのものの信頼性が高いだけでなく、保証制度もしっかりしている。また可能な限り自動化がなされており、使いやすい。比較的シンプルでありながらパワフルな製品だ。これにより、製品ライフサイクル全般にわたってTCOを削減することができる」(米HPのProCurveネットワーキングビジネス担当ワールドワイドセールス&マーケティングマネージャのマーク・トンプソン氏)。

 しかも専用OS(ソフトウェア)のアップグレードも無償で提供されることから、初期導入時のみならず、運用期間全般にわたって、同社が競合として挙げるシスコシステムズやエクストリーム・ネットワークスの製品群よりも優れたコストパフォーマンスを発揮するとしている。

 同時に日本HPでは、カスタムメイドのASICによる優位点も打ち出している。これはネットワーク・プロセッサの技術を取り込んで開発されたASICであり、他社が複数のASICで実現している機能を1チップにまとめていること、新機能の追加・拡張が容易であることなどが特徴となる。

 今後は、ユーザーからのニーズも高い「セキュリティ」のほか、VoIPをはじめとする「コンバージェンス」、およびワイヤレス対応に代表される「モビリティ」の3分野について、力を注いでいく計画だ。特にモビリティについては、世界的に見ても日本市場のワイヤレス普及が進んでいることから、いち早くソリューションを投入していきたいとしている。

関連リンク
▼日本ヒューレット・パッカード(hp procurveシリーズ)

[ITmedia]