エンタープライズ:ニュース 2002/11/14 17:36:00 更新


インテル、ハイパー・スレッディング対応Pentium 4/3.06GHzを発表

インテルは、デスクトップPC向けプロセッサとして、初の3GHz台となる「インテルPentium 4プロセッサ 3.06GHz」を発表した。Pentium 4/3.06GHzは、複数のアプリケーションを同時に実行した際の処理能力を高める「ハイパー・スレッディング・テクノロジ」にも対応した。

 インテルは11月14日、デスクトップPC向けプロセッサとして、初の3GHz台となる「インテルPentium 4プロセッサ 3.06GHz」を発表した。Pentium 4/3.06GHzは、複数のアプリケーションを同時に実行した際の処理能力を高める「ハイパー・スレッディング・テクノロジ」(HTテクノロジ)にも対応している。1000個ロット時の価格は7万9320円で、すでに出荷開始している。

 HTテクノロジは、米インテルが2001年8月の「Intel Developer Forum fall 2001」で明らかにした技術で、2002年初めにリリースしたサーバ向けプロセッサ「Xeon」に搭載された。デスクトップPC向けプロセッサにHTテクノロジを搭載されるのは、今回のPentium 4/3.06GHzが初めてとなる。

 都内のホテルで行われた発表会では、Windows XP上で2つのアプリケーションを同時に実行しても、HTテクノロジ対応プロセッサでは、パフォーマンスがあまり落ちないでスムーズに操作ができるというデモンストレーションを見せていた。このデモはHTテクノロジ対応でないアプリケーションを使ったものだが、もちろんアプリケーション自体が対応していれば、1つのアプリケーションを動作させた場合でもパフォーマンスは向上する。

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米インテル副社長兼デスクトップ製品事業本部長のウイリアム・スー氏

 HTテクノロジは物理的には1つのプロセッサだが、論理的には2つのプロセッサとして動作する。トランジスター数も5500万で、従来のPentium 4プロセッサと同じだ。HTテクノロジを利用するためには、これをサポートするチップセットとOSが必要。インテルはWindows XP(Home EditionおよびProfessional Edition)とLinuxをHT対応OSとしている。Linuxはカーネル2.4.1x以降という条件だが、現在出回っている各Linuxディストリビューションのほとんどはカーネル2.4.1xを使用している。

 インテルによればHTテクノロジを使用することで、同じ動作周波数ならアプリケーション処理能力が最大25%程度向上するとしている。ただし現時点でインテルは、ある動作周波数のプロセッサでHTテクノロジに対応したものと非対応のものの2種類を出す計画はない。デスクトップPCでは、今回発表したPentium 4/3.06GHzを手始めとして、今後発表するプロセッサは基本的にHTテクノロジ対応とする一方で、2.8GHzなどこれまで投入したプロセッサをHTテクノロジ対応にする予定はないとしている。またHTテクノロジは、当面はサーバ、ワークステーション、デスクトップPCまでで、モバイル向けプロセッサには搭載しない見込み。

 発表会でPentium 4/3.06GHzの解説をした米インテル副社長でデスクトップ製品事業本部長のウイリアム・スー氏は「2003年にはHTテクノロジをより多くの製品で発表していく。コンシューマにとってもビジネスにとってもHTテクノロジ対応が1つの要件になっていくと考えていく」と述べて、HTテクノロジを強くアピールしていくという考えを示した。

 発表会では10数機種のPentium 4/3.06GHz搭載PC(参考出品含む)が展示され、多くのメーカーが年末商戦に向けて出荷する見込み。今後インテルは、かつてMMXテクノロジをPentium IIIに投入したときのように、HTテクノロジに対応したアプリケーションがより多く市場に出てくるように働きかけていくと考えられる。

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[佐々木千之,ITmedia]