エンタープライズ:ニュース 2002/11/19 18:16:00 更新


IBMとHPがワークステーションの性能をアップして市場に投入

IBMとヒューレット・パッカードは、より速いプロセッサとほかの機能によって、両社のワークステーション製品ラインの性能を向上させた。ハイエンドにはUNIX向けのPower4やPA-RISCプロセッサが、ボリューム製品にはインテルベースのプロセッサが利用されている

 IBMとヒューレット・パッカード(HP)は11月18日、より速いプロセッサとほかの機能によって、両社のワークステーション製品ラインの性能を向上させた。ワークステーションとは、パワフルなデスクトップコンピュータのことで、自動車や航空機を含めた新しい製品をコンピュータを使って設計するような仕事をするために開発されたもの。

 ワークステーションの市場はかなり小さいが、ビジネス向けPC市場では利幅が大きい場合が多い。ガートナー・データクエストのレポートは、ワークステーションの出荷台数が、5期連続落ちた後、第3四半期は再び上昇に転じたと報告している。

これらのマシンの内、高価でない製品ラインでは、インテルまたはAMDのプロセッサが採用される。その場合、OSはWindowsまたはLinuxだ。

 しかしながら、パフォーマンスのいいハイエンド製品では、独自仕様のプロセッサおよびOSを、それぞれのメーカーが作り込むことが多い。例えば、HPの最新のワークステーションは、同社のPA-RISCプロセッサと、OSにはUNIXのHP-UXを搭載している。

 ガートナーの情報でワークステーションメーカー3位のIBMは、11月18日に3つの新しいワークステーションを発表した。そのうち、1つにはPower4サーバプロセッサがベースになっている。Power4は、デュアルプロセッサコアを実現し、1つのチップが2つの独立チップと同じパフォーマンスを提供できるように設計されている。

 IBMで最も安いIntelliStation M Pro 6219は(価格は2335ドルから)、伝統的なデスクトップPCに非常に似通っている。同製品は、インテルの新しい3.06GHzを含め、幾つかのシングル版Pentium 4プロセッサの中からプロセッサを選択することになる。

 より高価なIntelliStation Z Pro 6221(価格は3189ドルから)は、インテルのXeonを採用している。同製品は、M Proよりも拡張性が考慮されており、メモリは8Gバイトまでサポートされている。

 IBMの最もパワフルで最も高価な新ワークステーションは、IntelliStation Power p630だ。これは、Power4プロセッサを搭載し、IBM独自のGXT4500あるいはGXT6500というグラフィックアクセラレータを採用している。同UNIXワークステーションは、メモリ16Gバイトで価格は1万2495ドルになると、IBMは話している。

 一方で、ワークステーション市場ナンバー2のHPは、コンパックコンピュータと統合したことによって、現行の製品ラインに6機種の新ワークステーションを加えて、より幅広い選択肢を提示した。新しい「xw」シリーズというインテルベースのワークステーション4機種では、アグレッシブな価格設定がなされている。一方、残り2つは、同社独自のPA-RISCプロセッサを採用しており、製品設計シミュレーションといった負荷の重い作業にフォーカスを当てている。

 インテルのシングルのPentium 4を搭載した新製品、xw4000は、価格は1000ドル以下から始まる。新製品のxw5000、xw6000、xw8000モデルは、より大きなメモリ割り当てや、より早いグラフィックなど、価格が上がるにつれて、どんどん性能のいいハードウェアが使われている。

 xw5000はシングルのPentium 4がベースになっており、xw6000とxw8000の機種は、2.8GHzまでの1あるいは2プロセッサのXeonから選択するようになっている。

 HP Workstation c3750とHP Workstation j6750は、875MHzのPA-RISC 8700+のプロセッサを1あるいは2つ搭載する。HPは、この新しいマシンについては価格を提示しなかった。

[John G. Spooner,ITmedia]