エンタープライズ:ニュース 2002/11/22 09:56:00 更新


Exchange上のデータをニアラインにオフロード、イキソスがアーカイブソフトを発表

SAP R/3向けアーカイブソフトを提供してきたイキソスソフトウェアが、マイクロソフトのExchange Server専用のアーカイブシステム「IXOS-eCONserver for MS Exchange」を発表した

 イキソスソフトウェア(イキソス)は11月21日、マイクロソフトのExchange Server専用のアーカイブソフトウェア、「IXOS-eCONserver for MS Exchange」を発表した。同社によるとこのシステムの真髄は「捨てるけれども、活かす」ことにあるという。

 イキソスは、ドイツ・ミュンヘンに本拠を置くイキソスソフトウェアA.G.の100パーセント出資によって設立された日本法人だ。設立以来5年にわたって、ERPシステム「SAP R/3」に特化したアーカイブシステム「IXOS-ARCHIVE for R/3」を提供してきた。

 同社はこのたび、SAP R/3向け製品群の名称を改めるとともに、そのノウハウを反映させたIXOS-eCONserver for MS Exchangeを投入。ERPシステムで生成される帳票データなどに加え、電子メールのアーカイビングにも手を広げる。.NET Serverで動作するExchangeの次期バージョン、「Titanium」へも対応する予定だ。

 こうした製品が登場した背景には、エンロンやワールドコムなど、米国企業の不祥事が相次ぎ、電子メールを含む電子データのアーカイビングが法的に義務付けられるようになったことも挙げられるという。

 Microsoft Exchange Serverを運用する際には、一般に、ユーザーが利用できるメールボックスの最大容量を指定しておく。しかしやり取りするメールの量が増加し、添付ファイルが頻繁に利用されるようになった昨今では、メールボックスの容量がすぐ一杯になってしまう。これはユーザーにとっても管理者にとっても不便な状態だ。PSTファイルでやり繰りすることも可能だが、操作は各クライアントに委ねられるため、安定的な運用とはいいがたい。

 しかも、Exchange上のデータが増加するにつれ、バックアップやリストアに要する時間も長引くことになる。これはダウンタイムの増加につながりかねない。

 IXOS-eCONserver for MS Exchangeはこうした問題を解決するための製品だ。通常ならば、やり取りされるメール本文や添付ファイル、パブリックフォルダやメールボックスそのものはMicrosoft Exchange Server上に存在する。IXOS-eCONserver for MS Exchangeは、Microsoft Exchangeの背後でこれらをアーカイブにオフロードし、必要に応じて光メディアやEMC Centeraなどに書き出す役割を果たす。

 つまり、データすべてをExchange Server上でオンラインで動かすのではなく、随時、ニアラインへ“捨ててしまう”。データの場所を移行させることにより、サーバへの負荷を軽減するとともに、メールボックス容量の制限を実質的になくしていくという。データ移動時に圧縮は行われないが、添付ファイルをアーカイブ化(ニアライン化)するだけでも、大きく容量が空くという。クライアント側では特別なツールは必要なく、従来同様Outlook 2000などでアクセスすればよいだけだ。

 IXOS-eCONserver for MS ExchangeがサポートするのはMicrosoft Exchange Version5.5(SP4)およびExchange 2000(SP2)。価格はサーバライセンスが450万円、クライアントライセンスは、1000ユーザーで300万円からだ。

 なおイキソスでは基本的に直販体制をとるが、販売に当たっては、同社と1月に提携を結んでいるクレオが、導入コンサルティングやサポートを提供していく。日本では、SAPジャパンが同製品を導入しているといい、中規模以上の規模のユーザーをターゲットに展開していく。

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▼イキソスソフトウェア

[ITmedia]