エンタープライズ:コラム 2002/11/27 19:36:00 更新


Linux Column:インスタントラーメンのようなシステム

CD-ROM1枚しかないのにWindowsのインストールというのはなんて時間がかかるのだろう。最近、一部で話題になっているのがCD-ROMでブートしてX WindowにOpenOffice.orgまで動いてしまう「KNOPPIX」だ。インスタントラーメンのように、サーバにもクライアントにもCD-ROMをセットして少し待つだけでしっかりとシステムが作れるかもしれない

 私は仕事の関係上Windows 2000で実験環境を作ったりするのだが、どうしてこう、Windowsのインストールというのは時間がかかるのだろう。CD-ROM1枚しかないのに。いくつものステップで操作しないとインストールが完了しないこともあって、なおさら時間がかかる。

 最近、一部で話題になっているのがCD-ROMでブートしてX WindowにOpenOffice.orgまで動いてしまう「KNOPPIX」(クノーピクス)がある。独立行政法人産業技術総合研究所において日本語化が行われている。

 私自身、Linux ConferenceでデモCDをいただいて試してみたのだが、起動にこそ時間がかかるものの、グラフィックカードも自動認識されてきちんとX Windowが動いたのはなかなかの感動もの。起動した後は普通に使えるので、あとはNFSなりなんなりでホームディレクトリをマウントすればOKという感じ。

 少し前に「Zero Administration Client」、通称「ZAC」なる言葉が流行った。要するにWindows Terminalなわけだが、結局ものにならなかった。管理ゼロといいつつ、サーバ側での管理が大変だったり、アプリケーションの互換性テストの問題などいくつかの要因が重なってうまくいかなかったのだ。

 しかし、このZACという言葉が最近聞かれるようになった。それは具体的な製品がZACを実現するということよりも、増えすぎたクライアントマシンの管理をどうやって楽にしていくかという現実的な要請からだ。その中に、Linuxによるクライアントというのも含まれているようだ。

 この要請に対して、KNOPPIXは結構近いところにいるような気がする。今のところスタンドアローンで動くところしか見ていないが、サーバと数台のクライアントの構成でちょっとしたシステムを簡単に動かすことのできるワンストップソリューションが出てきたら、試してみたいと思う人は意外と多いのではないだろうか。

 インスタントラーメンのようにお湯をかけて3分間とはいかないかもしれないが、サーバにもクライアントにもCD-ROMをセットして少し待つだけでしっかりとシステムが動く、なんていうものも作れそう。Mac OS Xが「Rendezvous」として実装してきた「Zero Configuration Networking」が他のOSでも実装されたら面白そうだな、なとどちょっと夢想気味の週末だった。

[宮原 徹,びぎねっと]