エンタープライズ:特集 2002/11/28 18:24:00 更新

Linuxでハイパー・スレッディング――Pentium4/3.06GHzで遊ぼう
第1回 Linux上でなかなか動かないHT (4/6)

RedHatをインストール

 ということでやっと話がやっとLinuxに戻ってきた。Linuxでは、「Kernel 2.4.17-pre5」に初めてHTの対応コードが入り、これ以降のLinuxカーネルでは原則としてHTが利用できることになっている。 ChangeLog-2.4.17を見ると、pre5で「Pentium IV Hyperthreading support」が入り、そのあと2.4.18では変更なし、2.4.19でのChangeLog-2.4.19には、v2.4.19-pre9で「[PATCH] "noht" disable HyperThreading」という項目があるから、手直しが多少行われているようだ。

 ただ、世の中のディストリビューションの多くがKernel-2.4.18を利用しているところを見ると、このパッチを当てなくてもHTは一応使えるようだ。たとえばRedHat Linuxの7.3以降、SuSE Linux 8.0以降、あるいはTurbolinuxの8以降ではいずれもHTを利用できることになっている。もっともどの製品も、基本的にはHT対応カーネルを利用している、というだけの話のようだが。というわけで、ここでは実際にインストールしてみることにしたい。

ディストリビューションパッケージの入手

 利用したディストリビューションパッケージは「RedHat Linux 8」(RedHat8)である。7.3でもよかったのだが、せっかく最新ディストリビューションがあるのだから試さないという案はない。

 余談だがこのRedHat8では、ついにインストールのCD-ROMが3枚組になってしまった。読者の多くは雑誌に付属するCD-ROMでインストールを考えておられると思うが、普通雑誌に付属するのは多くて2枚であり、このためRedHat8を収録したものはほとんどない(というか筆者が探した限りでは見つからなかった)。結局、FTPでISOイメージをダウンロードし、これをCD-Rに焼いてインストールという形になった。ちなみにISOイメージはここからダウンロードできるが、恐ろしく混んでいてダウンロード以前にログインできない。ミラーサイト一覧から適当なサイトを探したほうがよい。ちなみに日本ではKDD理研がリストに上がっているが、どちらも本国に負けず劣らずの混み具合。2日ほどかけて、結局米Duke大からちまちまとダウンロードしてなんとかCD-Rへの焼きこみに成功した。RedHat8については「Linux Tips」の「 Red Hat Linux 8のパーソナルデスクトップとは?」を参考にしてほしい。なお、現時点では英語版しか存在しないが、ちゃんと日本語環境もこの中に含まれているので、RedHat8日本語版を探す必要はない。

パッケージのインストール

 最初にインストールした環境を説明しておく。

CPU:Pentium4/3.06GHz(エンジニアリングサンプル版)
マザーボード:Intel D845GEBV2(Intel845GE搭載ATXマザー)
メモリ:512MB PC2700 CL2.5 DDR-SDRAM
グラフィックスカード:GeForce3(初代、ノーブランド品)
HDD:Seagate Barracuda ATA IV 80GB(ST380021A)
CD-ROM:ノーブランドDVD-ROM

といった構成だ。Intel845GEならオンボードビデオでもいいのだが、これを使うと一気にメモリアクセスが遅くなってしまうので、あえて外部AGPカードを利用した。GeForce3を選んだのは、たまたま手近にあったためで、これでなくてもGeForce2 MXクラスの安い製品で実際は十分だろう。というか、WindowsXPを使う場合のベンチマークとしては定番に近い構成だが、Linuxマシンとしては不必要なほどにハイパワーな構成になっている。もう少しスペックを落としても十分だろう。ちなみに電源はENERMAXの「EG 451P-V」(450W。どうも旧製品になってしまったようで、Webサイトではもう見つからない)だが、この構成なら350Wクラスの電源でも動作する。

 インストール自体はほとんど何も考える必要がないほど簡単だ。1枚目のCD-ROMからCDブートすれば勝手にインストーラーが起動し、あとはウィザードでインストールが進んでいく。最初だけは英語だが、言語の選択で日本語を選べばあとに続くメッセージはすべて日本語化される。一応パッケージの選択では「ワークステーション」を選んだが、ほぼデフォルトのままでよい。ただ、ブートローダーの選択だけは、筆者の好みでGRUBではなくLILOを選んだ。パッケージの選択にもよるが、大体1時間弱でインストールは完了し、素直に立ち上がる。

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[大原雄介,ITmedia]