エンタープライズ:ニュース 2002/12/02 22:59:00 更新


日本市場に本格的に取り組むラドウェア、10GbE対応の第3世代プラットフォームも

日本ラドウェアは12月2日、報道陣向けの戦略説明会を開催し、本格的に国内市場に取り組んでいく方針を明らかにした

 トラフィックの負荷分散を実現する「Web Servcer Director(WSD)」やファイアウォール/VPN/IDS(不正侵入検知システム)といったセキュリティシステムの負荷分散を行う「FireProof」、経路最適化を実現する「LinkProof」など、多様なアプライアンス製品を提供している日本ラドウェアは、12月2日、本格的に国内市場に取り組んでいく方針を明らかにした。

 同社はこれまで、マクニカやネットマークスなど、複数の販売代理店を通じて製品を提供してきた。だがこのたび、正式に国内用の製品価格を設定。「日本法人を設立しながら、ここ数年間はどちらかというと地味にやってきたが、これからはしっかり展開していく」(同社カントリーマネジャーの公家尊裕氏)という。

 同時に、携帯電話やモバイルへの対応、IPv6サポートといった、日本独自の要求に対応した機能を開発・提供していく方針だ。

 負荷分散やレイヤ4-7(マルチレイヤ)スイッチとくれば、F5ネットワークスやファウンドリーネットワークスなど、他にも多くの企業が製品を提供している。しかしラドウェアでは、競合他社に先駆けて種々の負荷分散機能を実現してきたうえ、DoS(サービス拒否攻撃)防御をはじめとするセキュリティ機能、エンドツーエンドのヘルスモニタリング機能などを提供できる点で、一線を画していると同社は説明する。

「ネットワークが普遍的なインフラとなったのに対し、アプリケーションは非常に専門的なものであり、この2つの間にギャップが生じている。ラドウェア(の製品群)は、ネットワークをサポートしながら、アプリケーションの細かなニーズに応じることによって、このギャップを埋めることができる」(イスラエル・ラドウェアの社長兼CEOを勤めるロイ・ジサペル氏)

 それを支えるのが、独自のASICを搭載したプラットフォーム「Application Switch Platform」と、負荷分散や障害検知、帯域制御やセキュリティといった機能を実現するソフトウェア・アーキテクチャ「SynApps」だ。同社はさらに、複数のApplication Switch Platformやネットワーク機器を一元的に監視・管理するための「Configware Insite」も提供している。

 同社は2003年1月にも、第3世代プラットフォームとなる「Application Switch Platform III」をリリースする計画だ。現行の「Application Switch Platform II」は、7ポートのギガビットイーサネットに16ポートのファストイーサネットを搭載し、バックプレーン容量は19.2Gbps。これに対しApplication Switch Platform IIIは、Application Switch Platform IIのポート構成に10ギガビットイーサネットを加え、44Gbpsのバックプレーンを搭載するという、ハイスペックな構成となっている。

 また、分散アーキテクチャの採用やネットワーク・プロセッサ技術の活用により、QoSやセキュリティなども高速に処理するという。「Application Switch Platform IIIは、10ギガビットイーサネットを備え、レイヤ4-7処理を行う初のスイッチである」(ジサペル氏)。具体的な価格は未定だが、「現行製品の30〜40パーセント増しの価格となる見込みだ。しかし、パフォーマンスは3〜5倍を実現する」(同氏)という。

 一方で同社は、ウイルス対策製品やコンテンツフィルタといったセキュリティ製品と連携し、パフォーマンスやアベイラビリティの向上を通じて、セキュリティ機能の最適化を図る「Content Inspection Director」をリリースしている。既にシマンテックやサーフコントロールなどと提携を結んでいるが、年内から2003年にかけてパートナーを拡大するとともに、ファイアウォールやVPN、回線なども含んだセキュリティソリューションの提供も検討しているという。

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[高橋睦美,ITmedia]