| エンタープライズ：インタビュー | 2002/12/16 20:51:00 更新 |
Interview：仮想化手法で競い合うVMベンダー3社 (3/3)
仮想サーバの将来
インテルプラットフォームサーバの仮想化は比較的新しい技術だが、3社はいずれも自社の製品ライン（および同技術全般）の向かうべき方向に関して独自の考え方を持っている。
VMウェアのグリーン氏は、「IBMのeLiza、サンのN1およびHPのUtility Datacenterにおいて構想として掲げられたサーバ仮想化機能は、サーバサイドコンピューティングの将来を示すものだと考えている。これらの構想では、サーバの役割を新たなタスク用に動的に変更する機能、および一定のサービス可用性を維持する機能が要求されている。また、ハードウェアをコンピューティングリソースの単一プールとして管理することが想定されている。各社の構想がハードウェアに依存すること、そしてVMwareのカプセル化機能を考えれば、VMwareのバーチャルマシンは当然、これらの大手サーバプロバイダーが思い描いている動的なコンピューティング環境の基盤になるだろう。ブレード、グリッド、ユーティリティコンピューティングおよびサーバ仮想化という各シナリオで、われわれのバーチャルマシンが主要なビルディングブロックとしての役割を果たすものと考えている」と話す。
「長期的には、e-ビジネスサービスやサプライチェーンサービスのようにコンピューティングインフラ上で動作するサービスが、それを支える物理的コンポーネントから完全に独立して配備・管理される世界にわれわれは向かっていると思う。それがマイクロソフトの.NET構想であり、実にエキサイティングだ」（グリーン氏）
ベローソフ氏はSWソフトのロードマップを説明した。「短期的には、引き続きVirtuozzoを改良し、ホスティング分野でLinux/UNIXの市場を支配するつもりだ。次の2〜3のリリースでは、Virtuozzoを企業向けに製品化する作業を継続し、インテルベースのサーバ上で仮想化された環境を容易に配備・管理するためのサービスレベルツールおよび集合管理ツールを多数提供する考えだ」
「来年夏にリリースを予定しているItanium対応製品に加え、Windows製品の開発にも力を入れている。2003年第2四半期にリリース予定のWindows版により、製品企業ユーザーにとって当社の製品の魅力がさらに増すだろう。将来的には、高度な統合型ストレージ仮想化製品をリリースする予定だ」（ベローソフ氏）
また、仮想化の将来について同氏は次のように述べている。「サーバの仮想化は、エンタープライズ、中小企業、ホスティングプロバイダーなどの組織がハードウェアをフルに活用および統合する上で中心的な役割を果たすだろう。サービスプロバイダーの場合、サーバの仮想化は、新たなチャネルおよび広範な仮想ホスティングプランを作成するための自動化されたインフラを提供し、これにより業界が再定義されるだろう」
シェイラー氏はコネクティクスのロードマップについて、「短期的には、1〜4ウェイの範囲で顧客の経費節減を今すぐ実現することに注力し、ファイル／プリントサーバ、コラボレーションサーバ、ドメインコントロールサーバなどのコモディティインフラサービスの統合を進めるつもりだ。われわれはマイクロソフトの.NETサーバが提供してくれる機能に大いに期待しており、現在、Virtual Serverの機能を仮想化プラットフォームとして拡大すべく、技術の開発とリセラーとの提携推進で非常に忙しい。コネクティクスのオープンプラットフォーム方式では、パートナーが付加価値を備えたアプリケーションを開発することができる」と説明する。
「われわれは自己修復式の自律コンピューティングによって実現されるプロセッサエリアネットワークというビジョンを目指し、Virtual Serverを活用した強力・柔軟かつ信頼性の高いソリューションを通じて、今後も顧客の経費節減に貢献するつもりだ。サーバの仮想化によって可能になる未来のデータセンターは、非常にエキサイティングな場所になるだろう」（シェイラー氏）
あなたの会社のニーズにぴったり合っているのは、どの仮想サーバ技術だろうか？
[Todd Volz，ITmedia]
