エンタープライズ:インタビュー 2003/01/14 23:07:00 更新


Interview:スマートディスプレイはリビングルームで気軽に使うPCの提案 (2/2)

ZDNet ハードウェアについてですが、スマートディスプレイがサポートしているプロセッサの種類について教えてください。

ホワイト プロセッサについては幅広くサポートしています。インテルのXScaleアプリケーション プロセッサやナショナル・セミコンダクタのGeodeシリーズ、MIPS、SuperHシリーズなどです。シナリオ的にはWindows CE .NETでサポートされているものについてはすべて利用可能です。

ZDNet これらのプロセッサをはじめ、液晶パネルのサイズや搭載するメモリ容量などは、各ハードウェアメーカーが自由に選択して採用できるのでしょうか?

ホワイト その通りです。あるデバイスでは8Mバイトのメモリと8インチの液晶パネルが搭載され、一方ではより多くのメモリと大きなサイズの液晶を持った製品が登場するでしょう。ハードウェアメーカーの革新的な試みを生かせるよう、われわれはハードウェアスペックをフレキシブルにしています。

 場合によってはプラットフォームに関してきちんとした規定を設けることもあります。Pocket PCがそのよい例ですが、その理由の1つは各デバイスでソフトウェアの互換性を保つためです。スマートディスプレイでは、このデバイスのために大掛かりなアプリケーション開発が行われることはあまりないだろうという判断で、柔軟性を持たせています。もちろんローカル(スマートディスプレイ側)で動作するアプリケーションもありますが、それらはハードウェアメーカーが用意したそのデバイス固有のものと見て差し支えないと考えています。

ZDNet スマートディスプレイ上で動作するネイティブアプリケーションもあるのですか?

ホワイト ハードウェアメーカーが独自に用意したアプリケーションがあります。例えばビューソニックではホームコントロールアプリケーションと称して、デバイスに用意されたコンシューマIRポートから照明器具やステレオ、TVなどをコントロールするアプリケーションを追加しています。その他のメーカーでは、電子写真立てとして、画像ファイルをスライドショー形式で表示するといったものを用意しているところもあり、それぞれが創造性を生かしたものを考えているようです。こういったところもスマートディスプレイの可能性の1つであり、おそらく今後もこのようなアプリケーションは増えていくでしょう。電子メールやカメラなどさまざまな機能を追加して発達してきた携帯電話のように、技術とデバイスの融合による新しい進歩の力がスマートディスプレイにも見られるようになると思います。HDTVとの連携なども可能性として期待しています。

ZDNet 日本では、リビングルームやベッドルームでPCを利用するといった、スマートディスプレイで提案されているようなPCの家庭内利用法は浸透するでしょうか?

ホワイト 日本ではブロードバンドが普及しているということが、スマートディスプレイにとって大きな要素と言えるでしょう。ブロードバンドによって常時接続されたインターネットが、スマートディスプレイによって常に手元にある状態となるわけです。あとは使い方の提案さえきちんと行っていくことができれば、潜在的な需要を喚起できるのではないかと思います。

ZDNet 低価格なノートブックPCが10万円台前半という現在の状況で、NECの製品で99,800円というスマートディスプレイの価格帯は不利にも見えるのですが。

ホワイト 新しい製品はどれもそうなのですが、最初は高めの価格設定ですが、徐々に手ごろなところまでに落ち着いていきます。特にハードウェアは量産効果で価格がどんどん下がっていきます。Pocket PCもその例の1つで、最近のDellの製品では199ドルというものまで登場しています。スマートディスプレイも各メーカーの努力によって、適正な価格になっていくことを期待しています。500ドルを切ることが、普及に向けてのラインだと思います。

ZDNet 組み込み市場についてもお聞きしたいのですが、マイクロソフトの取り組みとして組み込み市場は今後とも重要な位置付けとなっていくのですか?

ホワイト 組み込みデバイスがよりリッチに、スマートになって行く中で、PCやサーバとの相互接続性もより重要視されていきます。携帯電話がよい例ですが、そのソフトウェアが発達すれば、より使いやすく性能の高いデバイスを作ることができるようになります。こういった意味で、この分野への注力もマイクロソフトとしては引き続き考えています。

ZDNet 合わせて紹介された「Media2Go」についてもお伺いしたいのですが、これはプラットフォームなのですか、それともデバイスの名称なのですか?

ホワイト プラットフォームです。Windows CE .NETをベースに、インテルのハードウェアリファレンスに基づいたデバイスで動作するものです。液晶パネルを備えており、ビデオや音楽といったマルチメディアデータを再生するポータブルメディアプレイヤー製品として、2003年のクリスマス商戦が始まるころに発売が見込まれています。

ZDNet Windows CEを中心にさまざまな技術がオーバーラップしながら、いろいろな製品になっていくようですね。

ホワイト スマートディスプレイの技術はHDTVやプロジェクタなどへ応用され、Media2GoやPocket PCもソフトウェアの進化によってよりリッチなコンテンツを手に入れるようになるでしょう。こういったソフトウェアのシナリオをわかりやすくきちんとデバイスという形で提示していくことが大切です。今回のスマートディスプレイは、その始まりとしてとらえていただければと考えています。



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[聞き手:柿沼雄一郎,ITmedia]