エンタープライズ:ニュース 2003/01/23 15:58:00 更新


SGI、ハイエンドLinuxサーバ「Altix 3000」をLinuxWorldで公開

SGIは、米国ニューヨーク市で開催中のLinuxWorldに参加。1月7日に発表したAltix 3000を初めて一般に公開した。Altix 3000は、Itanium 2プロセッサを使ったスーパークラスタアーキテクチャのマシンで、OSにLinuxを採用している。

 米シリコングラフィックス(SGI)は、米国ニューヨーク市で開催中のLinuxWorldに参加。1月7日に発表したAltix 3000を初めて一般に公開した。Altix 3000は、Itanium 2プロセッサを使ったスーパークラスタアーキテクチャのマシンで、OSにLinuxを採用している。Altix 3000は、クラスタマシンとスーパーコンピュータの長所を併せ持つマシンで、高速なノード間通信を持つ。これを使ってノード間での共有メモリが実現されており、ノードが行う計算が相互に関連するような場合に威力を発揮する。OSにLinuxが採用されており、オープンソースのメリットを生かすことができるという。

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「SGI Altix 3000」1台にItanium 2を最大64基搭載可能で、8台を接続したサーバクラスタとして運用できる

 SGIは、遺伝子関連の計算を行うインサイト・ジェノミクスが行ったベンチマークを公開。遺伝子関連の計算処理で、2GHzのXeonクラスタマシンに対して1GHzのItanium 2を搭載したAltix 3000(プロセッサ数はどちらも32プロセッサ)が約7倍の性能を出したという。これは、計算結果をノード間で転送するインターコネクト機構が高速であるためだという。もちろん、計算内容などに依存するが、高速なインターコネクト技術が、クラスタマシンの性能を大きく向上させることを示した。

 SGIは、MIPSベースマシンでは従来のOSであるIRIXを、IPF(Itaniumプロセッサファミリ)のマシンでは、LinuxをメインOSとし、今後は、IPFマシンを強化していくという。また、今後は、既存アプリケーションのAltix 3000ファミリへの移植を促進するとともに、Linux系開発者に向けたデベロッパープログラムを強化していくという。今年6月には、既存のIRIX開発者とLinux系開発者向けのTechnical User Conferenceを開催し、両コミュニティの交流を図るとともに、Linux系への移行を促すという。

 また、Altix 3000がオーストラリアのクイーンズランド州にある「Queensland Parallel Supercomputer Foundation(QPSF)」への導入が決定したと発表した。QPSFは、オーストラリアの6つの大学が共同で持つ計算施設。

 そのほか、東京大学や東京大学地震研究所、オーストリアのリンツ大学、ワシントン大学、米政府研究所などに納入が決定しており、科学技術計算分野での導入が進んでいるという。

 SGIでは、LinuxWorldの展示会場にAltix 3000ファミリマシンを持ち込み、ここで、初めて一般向けに同マシンを公開している。

 従来同社のマシンが強かった、科学技術計算市場のほか、製造、エネルギー、政府関連組織向けおよび、メディア制作といった分野にAltix 3000ファミリとLinuxを導入していく予定。

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関連リンク
▼LinuxWorld Conference & Expo
▼LinuxWorld New York 2003レポート

[塩田紳二,ITmedia]