エンタープライズ:ニュース 2003/01/30 00:12:00 更新


米アイエニウェアが日本法人を設立

米アイエニウェア・ソリューションズは、日本法人「アイエニウェア・ソリューションズ」を設立すると発表した。

「SQL Anywhere Studio」で組み込みデータベース(DB)およびモバイルDB市場において高いシェアを持つ米アイエニウェア・ソリューションズは1月29日、都内で記者発表会を行い、日本法人「アイエニウェア・ソリューションズ」を設立すると発表した。米アイエニウェアは2000年5月に米サイベースから分離しており、現状サイベースの1事業部門となっている日本法人を100%子会社として、2月5日付けで独立させる。同社の担当者は、「製品は抜群なのに市場認知度が低い」という課題を克服したいと話している。

 新会社の社長には、サイベース取締役副社長兼米アイエニウェアの日本のカントリーマネジャーを務めていた早川典之氏が就任した。ただ、新オフィスも同じビルの真上の階に構えるなど、サイベースとは同社の親会社として、これまで通り緊密な関係を継続する。

 サイベースから独立した理由について早川氏は、「Oracleなどを導入している企業にモバイルDBを売り込む場合に、サイベースという社名がマイナスの影響を与えることがあった」と話す。サイベースといえばRDB(リレーショナルデータベース)というイメージがあるため、複数の種類のRDBは導入したくないとユーザーが考えるからだ。そこで、独立することで、小回りの利く営業体制の構築を図る。

 アイエニウェアは、モバイル/組み込み向けDBのほか、「always available」な環境を実現するモバイルミドルウェアや、ターゲット顧客のニーズを満たす「Out-of-the-box」(箱から出してすぐ使える)アプリケーションを提供するm-ビジネスなども展開する。always availableとは例えば、地下鉄からPDAで電子メールを送る場合、その時にはオフライン環境でも、地上に出た時点で自動的にメールを送信することで、ユーザーがオンラインとオフラインを意識せずにアプリケーションを扱えるようにするといった考え方。つまり、クライアント端末は定期的にサーバに接続することで、端末でのユーザーの作業とサーバのデータを同期するわけだ。

 チャネル戦略では、これまでどおり、大手ハードウェアメーカーなどへのOEMによる組み込みアプリケーションの提供や、システムインテグレーターなどにフォーカスするが、「利用した分だけ請求する」といった新しいビジネスモデルの構築も検討中としている。また、ターゲットとする市場は、運輸業のトラッキングシステムや流通業の拡張POSシステム、さらに、グループウェアのモバイル化といったニーズにも対応する。

 早川氏は、「2005年までに全世界の売上高の25%を日本法人が達成する」(現在は10%の)ことを目標と話した。来日した米アイエニウェアのワールドワイドセールス担当のヨーゲンミュラー氏も驚くほどの数字だという。

 ヨーゲンミュラー氏は、「Oracle、DB2、Windows、Linux、AIXなどのUNIX環境をはじめ、システム環境を選ばないことがアイエニウェアの強み」と話している。

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[怒賀新也,ITmedia]