エンタープライズ:ニュース 2003/01/31 00:35:00 更新


「無線LANアクセスポイントが3台以上になれば集中管理は不可欠」とディアイティ

ディアイティは、無線LAN製品群「ORiNOCO」ファミリ5製品の価格改定を発表するとともに、無線LANアクセスポイント「ORiNOCO AP-2000シリーズ」向けの新ファームウェアと集中管理システムを発表した。

 ディアイティは1月29日、無線LAN製品群「ORiNOCO」ファミリ5製品の価格改定を発表した。

 ORiNOCOファミリは、米プロキシムが開発・提供している無線LAN製品群だ。プロキシムは現在、米アギアシステムズより買収したORiNOCOのほか、ハイエンドからミドルレンジまでをカバーするHarmony、SOHO・家庭ユーザーをターゲットとしたエントリ製品のSkyLineという具合に、3つの製品ラインを展開している。将来的には、Harmonyのアーキテクチャを組み込みながら、ブランド名はORiNOCOに統一していく方針だ。

 また、IETFでの動向をにらみつつ、仕様の標準化が完了したタイミングで即座にIEEE802.11gに対応する計画である。基本的には標準化の時期に準じるが、第2四半期には対応製品およびアップグレードキットを提供したいという。

 今回行われた価格改定は、そうした今後の方向性を踏まえたうえで、さらなる市場シェアを獲得すべく、「非常に戦略的に設定したもの」(ディアイティ製品事業本部 シニアシステムエンジニアの丹羽真規氏)という。新価格は2月1日(2月3日受注分)より適用される。

 まず、フラグシップ製品である企業向け無線LANアクセスポイント「ORiNOCO AP-2000シリーズ」2製品と、米ノマディクスの公衆無線LAN機能を搭載した「ORiNOCO AP-2500シリーズ」2製品について値下げを行った。新価格はそれぞれ9万9800円、14万8000円で、旧価格に比べると各々34%、25%の値下げとなる。また、IEEE802.11bに対応したPCカード、「ORiNOCO 802.11b PC Card Gold」は、約35%の値下げで1万4800円となる。

 同社は合わせて、数量を限定したキャンペーン製品も販売する。802.11a/bの両仕様に対応した「ORiNOCO 802.11a/802.11b ComboCard Gold」(通常定価は3万3800円)を、2000枚限定で1万9800円で提供するほか、アクセスポイントとクライアントを割安な価格でセットにしたスターターキットを2種類発売する。

「企業での導入では、全社的に展開する前に、まず一部でテスト運用を行うケースが多い。(スターターキットは)そうした場合に非常に使いやすい」(丹羽氏)。

 ディアイティは合わせて、ORiNOCO AP-2000シリーズの機能を強化する、新バージョンのファームウェア「ORiNOCO 2.1」を発表している。このバージョンでは特に、RADIUS/802.1x関連の機能強化が図られ、RADIUSのセッションタイムアウト、802.1xでのユーザー/セッションごとのダイナミック暗号化などがサポートされた。さらに、クライアント間通信の拒否やSyslogのサポートも実現されている。

 ORiNOCO 2.1は、ORiNOCO AP-2000シリーズのユーザーに、同社Webサイトから無償で提供される。

 また同時に、ORiNOCO AP-2000シリーズの一元的な管理を実現する「ORiNOCO Wireless Network Manager」もリリースされている。以前はORiNOCO Wireless LAN Managerの名称で提供されていた製品だが、製品名を変更するとともにライセンス体系を変更し、「Base Engine」と、管理対象となるアクセスポイントの数に合わせて購入する「Licence」の2つを組み合わせる形式を取っている。

「個別に設定、運用管理を行えるのは2台まで。アクセスポイントが3台以上になれば、集中管理システムは不可欠だ」(丹羽氏)。

 ORiNOCO Wireless LAN Managerの価格は、Base Engineが8万6000円。Licenceは、50台までのアクセスポイントに対応するものが同じく8万6000円からとなっている。また同社Webサイトでは、ORiNOCO Wireless LAN Managerの試用版が提供される予定だ。

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[高橋睦美,ITmedia]