エンタープライズ:ニュース 2003/02/08 13:36:00 更新


64ビットサーバの世界で求心力を発揮できるか――マイクロソフト

マイクロソフトは、プレス向け第2回「Windows Server 2003 RC2レビュワーズワークショップ」でWindows Server 2003でのマーケティング戦略について触れた。IPF(旧称:IA-64)サーバでこそ「健全な勝負ができる」「現在、この準備に非常に力を入れているところだ」とハイエンドサーバ市場での主導権争いに自信をうかがわせた。

 マイクロソフトは、プレス向け第2回「Windows Server 2003 RC2 レビュワーズワークショップ」で、Windows Server 2003での戦略に触れた。

 マイクロソフトの次期サーバOSであるWindows Server 2003がIT投資の冷え込む情勢の中で成功を収めるために、同社は同OSが多目的のビジネスシナリオで利用できる点を強調していくことになる。マイクロソフトが打ち出している利用シナリオは、(1)セキュアで可用性が高いIT基盤(2)開発生産性の高いアプリケーションサーバ(3)エンドユーザーが直接メリットを実感できる「インフォメーションワーカー」インフラの3つ。一度Windows Server 2003を導入すれば、それを活用して投資コストを最低限に抑えながら幅広いシナリオへ移行できるようにするのが狙いだ。これによりパートナー企業にも幅広いビジネスチャンスを提供していくと話す。

 また、同社は、国内サーバ市場は依然厳しいものになるとしながらも、ハイエンドUNIX BOXやRISC UNIXシステムはコストパフォーマンス的に不利となり、今後継続的な減少を続けると分析。一方で、IA-32/IPF(旧称:IA-64)サーバはこれを補うように継続的に出荷金額が増加すると優位性を強調する。中でも「Itanium 2」によるIPFサーバの増加が顕著になるだろうとした。

 UNIXやLinuxも対応するIPFサーバの世界では、プラットフォーム自体の魅力だけでなくサポート力などを含めた総合的な業界求心力を競うものとなる。これに関して同社は、「これまではルールが異なる局地戦でそれぞれに最強を名乗っていたようなもの。これからはルールもリングもまったく同じ環境にOSを搭載して、健全な勝負ができる」「現在、この準備に非常に力を入れているところだ」とハイエンドサーバ市場での主導権争いに自信をうかがわせた。

 同社は、Windows Server 2003の成功にはパートナー企業の協力が必要不可欠だとして「パートナーファースト」を徹底していく戦略も打ち出している。1月31日にはマイクロソフト製品を扱うパートナー企業各社のキーマンを集め、今後のマーケティング施策を共有するなどの取り組みを実施したことを説明した。これを皮切りに全国主要都市6カ所で順次同様のプログラムを展開していく。

 また、ここにきてWindows Server 2003の名称変更が行われたことに関して「あえて.NETの冠を入れなくてもマイクロソフト製品が.NETに取り組んでいるのは当たり前」と計画的なものだったと説明した。

 Windows Server 2003は、12月にRC2の開発を終え、1月31日から早期評価キットの配布が始まった。国内で約10万コピーを配布する予定で、過去最大のマーケティングベータ配布になるという。製品版のリリースは米国では4月を予定しているが、国内でのリリース日はまだ明らかにしていない。

 RC2での大きな機能変更はなされなかったようだが、システム要件では64ビット版Datacenter Editionの最大RAM容量を512Gバイト、Standard Editionの最大CPUを4個に変更したという。そのほか、製品版ではEnterprise Edition以上で「Windowsシステムリソースマネジャ」(WSRM)日本語版の搭載が決定した。

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[堀 哲也,ITmedia]