エンタープライズ:ニュース 2003/02/20 23:24:00 更新


「3ステップでシステム復旧を実現」、ファルコンストアが新ソフトを投入

ファルコンストア・ジャパンは2月20日、ネットワーク越しのリモートブートによってすばやいリカバリを実現する「IPStor Bare Metal Recovery(IBMR)」を発表した。

 ファルコンストア・ジャパンは2月20日、ネットワーク越しのブートを実現し、障害発生時にすばやくリカバリを行えるようにする新しいソフトウェア製品、「IPStor Bare Metal Recovery(IBMR)」を発表した。

 IBMRは、復旧対象となるクライアントPCやアプリケーションサーバにインストールする「IBMRクライアント」と、これらクライアントのディスクイメージを取得し、トラブル時にはそれを基にリモートブートを実現する「IBMRサーバ」、および管理コンソールから構成されている。

 IBMRサーバには、IPネットワーク経由であらかじめ、IBMRクライアントをインストールしたPCのディスクイメージをバックアップしておく。トラブル時にはこれを用いて、いったん作業を続けられる程度に復帰させておき、改めて時間の余裕があるときに、ハードディスク入れ替えとデータのリストアを行う、といった使い方ができる。極力少ないダウンタイムで、仕事に欠くことのできないPCやアプリケーションサーバを、ひとまず動かすまでに持っていけることが特徴だ。

「従来のやり方では、ハードウェアの交換からメディアの用意、OSやアプリケーションのインストールとデータのリカバリ、リブートなど、10ステップにもわたる作業を行う必要があった。しかしIBMRではわずか3ステップで復旧処理を行うことができる」(米ファルコンストア・ソフトウェアのCEO兼社長、レイジェン・フーアイ氏)。

 また、同社の主力製品であるストレージ統合ソフトウェア「IPStor」にもオプションとして含まれている「TimeMark」を活用することで、最大3世代分の差分履歴を取得することが可能だ。これをうまく活用すれば、不慮のウイルス感染時に元のOSをブートしたり(直後にウイルス対策ソフトのアップデートが欠かせないが)、パッチ適用作業の前にブートイメージを取得しておき、トラブルが発生するようであれば元の状態に戻すといったことが可能になる。

 とはいえ、同様のことは、他のベアメタルバックアップソフトウェアでも実現できる。IBMRの特徴の1つは、インテルが主導して策定した、サーバからディスクレスクライアントをリモートブートするための規格、「Preboot eXecution Environment(PXE)」に対応していることだ。これにより、フロッピーディスクなどのメディアを用意することなく、リモートディスクからOSを立ち上げることができる。ただしこのため、IBMRを利用するにはPXE対応のNICが必要になる。

 また、ディスクイメージを取得する際に、クライアント側を停止させる必要はなく、リアルタイムにコピーを取れることも特徴である。ただし、現時点ではクライアント側でオープン中のファイルまではバックアップできず、今後のリリースで対応していく計画だ。

 IBMRの価格は、IBMRサーバ(Bare Metal Server)が60万円。クライアントライセンスは、デスクトップPCやノートブックPCで利用する場合は1台当たり1万5000円、サーバで利用する場合は7万5000円。まずWindws 2000/XPに対応したバージョンが3月1日に出荷され、その後Windows NT/RedHat Linux版が4月1日に、Solaris/AIX対応版が5月6日に投入される計画である。また、既存のIPStorにIBMRをオプションとして追加することも可能になる予定だ。

関連リンク
▼ファルコンストア・ジャパン

[高橋睦美,ITmedia]