| エンタープライズ:ニュース | 2003/02/27 14:35:00 更新 |

Keynote:ジーニーはビルの夢を叶えられない -- オラクル、ボンバーニ氏が.NETと対比
Sun Super Tech Days開催の2日目、27日午前には、米オラクル、Oracle9iマーケティング担当副社長のレネ・ボンバーニ氏による基調講演が行われた。壇上に立ち、Webサービスと.NETを対比し始める
Sun Super Tech Days開催の2日目、基調講演には米オラクル、Oracle9iマーケティング担当副社長のレネ・ボンバーニ氏が壇上に立ち、いまなぜWebサービスなのかを語った。

冒頭ではまず、このプレゼンでは「Windowsに頼らずに行う」と一声を発し、続けて「友人のビル」を紹介しだす。
ビルは、魔法使いの「ジーニー」に夢を叶えてくれると聞かされ、ハワイ島までの橋を造ってくれないかと希望する。しかし、建設費を考えるとあまりにも壮大であり、困難を極めるといわれてしまう。ほかの希望はないか? とジーニーがいうと、ビルは「.NETをセキュアにしてほしい」という。すると、すかさずジーニーは「では、先ほどの橋は何車線にしましょうか?」と言い放った。毒舌で会場を沸かせたボンバーニ氏は、さらに、Windowsのない世界についてを語り出す。
Windowsは人々に何をもたらしたのか? このテーマに対して同氏は、いちばんに「管理機能をデスクトップに持ってきたのが過ちだった」という。PCの歴史上クライアントサーバ連携の発展を経て、クライアントだけではなく、サーバサイドでも複雑化を極める現状に疑問を投げかけている。
大別するPCの第一世代では、何ら問題なくクライアントサーバの関係で利用できたものが、第二世代になりインターネットの波に遭遇した。これによりWebブラウザがユーザーインターフェイスとして選択されるようになったが、従来までの独自仕様はオープンスタンダードを受け入れる。細部を見ると、アプリケーションをクライアントだけではなくサーバサイドにも導入したことを意味するわけだ。
今までのネットワークコンピューティングの推移を考えると、インターネットの初期はキラーコンテンツとしてEメールがいちばんであったものが、現在ではコミュニケーションからインフォメーションに移行し始めている。「これからのインターネットでは、サーバ対サーバの連携が最も重要だ」という。
ビジネスロジックとプレゼンテーションロジックの切り離し
これらの解決策としては、まず1つ目にデータの分散を統合させることが挙げられた。複雑性を把握しても、同期させた機能は実現するのは困難を極める。2つ目は、オートメーションの完結。これが最も難しいと強調されたが、部分的なものが実現されたとしても総合的な自動化はまだ先になる。さらに、現在Webサービスで問題視されているセキュリティ問題もクリアしなければならない点であり、XMLの中でもスタンダードが叫ばれているのも事実だとコメントされた。
開発レベルでの問題とし、VisualBasicでは、ビジネスロジックとプレゼンテーションロジックが一緒の扱いとされていることにも指摘する。Javaではこれらが分離されているからだ。
最後に、現在では1つのテクノロジーだけで実現することは難しい。オラクルは、サン、IBM、BEAなどと協調し、オープンスタンダードを作り上げていくことが目的だと語った。

講演の中では、Java2の開発アプリケーション「Oracle9i JDeveloper」がデモされた。画面では、EJBの操作からWSDLの自動生成、実際にWebサービスとして稼働させるまでの模様が披露され、数分で基本的な機能が実現できることが見せられた。また、開発プラットフォームとしてLinuxだけでなく、MacOS Xでも問題なく開発が可能だとコメントされた。

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[木田佳克,ITmedia]
