エンタープライズ:ニュース 2003/03/10 20:45:00 更新


PwCの元顧客を取り戻したIBM

IBMによると、同社が昨年プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)コンサルティングを買収する前に同コンサルティング会社が失った顧客の70パーセントを取り戻したという。

 IBMによると、同社が昨年プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)コンサルティングを買収する前に同コンサルティング会社が失った顧客の70パーセントを取り戻したという。

 プライスウォーターハウスクーパーズを含む数社の会計/コンサルティング企業は昨年、エンロンをはじめとする企業の不正経理スキャンダルが明るみに出た後、顧客を失ったり手放したりした。プライスウォーターハウスクーパーズはそれだけにとどまらず、コンサルティングサービス部門をIBMに売却した。

 IBMの広報担当者、アイアン・コリー氏によると、PwCコンサルティングを昨年7月に35億ドルで買収したIBMは、10月に買収手続きを完了し、利害対立が解消した時点で、PwCが失った顧客を呼び戻すキャンペーンを開始したという。

 PwCの顧客を取り戻したことは、IBMのグローバルサービセズ部門にとってプラスになった。IBMグローバルサービセズは、同社のビジネスの3本柱の1本にまで成長した。IBMの1月の発表によると、同社のサービス部門の売り上げは2002年の第4四半期に17パーセント増加した。同社では、PwCコンサルティングの買収が増収に貢献したとしている。

 サービス契約は、PCやサーバなどのソフトウェア/ハードウェア製品の販売につながることが多い。

 PwCの買収完了後、IBMは自社製品の再編成に着手し、昨年10月に発表した「オンデマンド」コンピューティング構想の一環としてPwCコンサルティングをベースとする新サービスを作成した。

 オンデマンド構想を通じてIBMは、コンピューティングパワーやデータストレージなどのITリソースを、電気と同じような従量課金式サービスとして顧客に提供する考えだ。

 IBMは、オンデマンド構想およびPwCコンサルティングのサービスを柱とする新しい契約の総額が数十億ドルに達したことを明らかにした。

 主な契約としては、J.P.モルガン・チェースとの50億ドルの7年契約や、自動車部品メーカー、ビステオンとの20億ドル・10年間のアウトソーシング契約などがある。

[John G. Spooner,ITmedia]