エンタープライズ:コラム 2003/04/01 18:47:00 更新


Linux Column:バージョンはいかに進んでいくべきか?

あっという間にRed Hat Linux 9ですね。Red Hat Linuxも、マイクロソフトの製品と同じようにバージョンが「x.3」にならないとバグが取れないから使えない、というふうに言われることが多いが、メジャーバージョン番号がアップしたことでドラスティックな変更が行われたような印象を受ける。

 しかし、あっという間にRed Hat Linux 9ですね。Red Hat Linuxも、マイクロソフトの製品と同じようにバージョンが「x.3」にならないとバグが取れないから使えない、というふうに言われることが(少なくとも私の周りでは)多いが、メジャーバージョン番号がアップしたことでまたまた表面的にはドラスティックな変更が行われたような印象を受ける。しかし、実際には、これまで業務用サーバ向けのバージョンと、コンシューマー向けのバージョンの番号が乖離してしまっていたのを同期させるという意味の方が強いのだろう。そうすると、実際にはバージョン8.1相当なのだろうか。もし、内容的にも大幅に変わっているのだとすると、また振り出しに戻るということか。

 どれぐらい変わっているのだろうとRHL9に関する情報を見てみようとレッドハットのWebサイトを訪れてみたのだが、どこにも出ていない。今週末にもリリースされようとしている製品の情報が出ていないというのはどういうことだろう??盛んに有償サポートサービスに入れれば先行ダウンロードが出来るよ、とダイレクトメールを送りつけてくるのに、肝心のモノの情報が出ていないのは・・

 それとも、私の見つけ方が悪いのだろうか??

 この記事を読む限りだと、大きく影響しそうなのはビデオドライバ周り。NVIDIAとATIのビデオチップが動作しないというのはかなりクリティカルな感じがするのだが、本当だろうか?

 少なくとも私が動かしているマシンは100%両社のビデオチップを使っている。こういう情報こそ、あらかじめ欲しいところなのだが、実際に見てない、試していないのだから確認のしようも無い。入手できるようになったら、確認してお知らせしたいと思う。

 しかし、こうも半年ごとにバージョンアップを繰り返す真意はどこにあるのか図りかねる。まだ発展途上だから止むを得ないのだろうか。ほぼ予定通りにバージョンアップが進むからには、それなりの展望があってのことだと思うのだが、残念ながらそこにはビジョンは見えない。

 この辺りが、それが120%実現できているかどうかは別として、MSやビル・ゲイツが語るビジョンとその製品で市場展開しているWindowsの世界との違いなのかもしれない。

 WindowsがLinuxになったからといって、やれる事が大きく変わるわけでもないし、全く違うことが求められているわけでもない。そこに求められているのは安心感だったり、確実性だったり、道具としての使いやすさだったりするのだが、こうもバージョンがどんどんと進み、全体的な仕様がコロコロと変わっていくのはいかがなものか。

 少なくとも既存ユーザーはついていけないし、これからのユーザーも選択するに当たって不安になるだろう。サポート期間の件といい、頻繁なバージョンアップといい、市場顧客を獲得していくためには本来は逆のことをやっていくべきだと思うのだが、どうだろうか。その結論が出るのは、意外と早いのかもしれない。

[宮原 徹,びぎねっと]