エンタープライズ:コラム | 2003/04/09 21:02:00 更新 |
Linux Column:仮想マシンでいこう
日本国内ではあまり話題になっていないが、VMware 4.0がリリースされた。VMwareはWindows 2000/XPとLinux上で動作する仮想マシンソフトウェア。私もさまざまな記事を書いたりする上で欠かせないソフトとなっている。
まずは前回の訂正から。前回、Red Hat Linux 9について「これまで業務用サーバ向けのバージョンと、コンシューマー向けのバージョンの番号が乖離してしまっていたのを同期させるという意味の方が強いのだろう」と書いたが、これは間違いであるとレッドハットからご指摘をいただいた。
同社の今後の戦略として、最新のオープンソースソフトウェア(技術)をまとめたRed Hat Linux(RHL)と、サーバなどの企業向け製品ラインであるRed Hat Enterprise Linux(RHEL)の2つに分かれており、両者の間での同期などは取られていないとのことだ。これは私の完全な勘違いだったので、ここで慎んで訂正したい。
蛇足として、今後はRHLは4カ月から6カ月の周期でバージョンアップをしていき、RHELはもう少し長い周期でのバージョンアップを行っていくとのことだ。
さて、日本国内ではあまり話題になっていないが、VMware 4.0がリリースされた。VMwareはWindows 2000/XPとLinux上で動作する仮想マシンソフトウェアで、さまざまな環境を構築して維持しておかないといけないネットワーク系サポートSEなどの間では人気がある。
かくいう私もさまざまな記事を書いたりする上で欠かせないソフトとなっている。
新バージョンは細かいところでかゆいところに手が届くようになったようなのでアップデートしたいところだが、アップデート費用がかかることもあってちょっと様子見(日和見?)しようと思っている。なにせベータ版のときにはインストーラーがコケちゃってインストールできないぐらいだったから、ゲンを担ぐ方の私としてはどうも相性が悪いような気がしてならない。君子危うきに近寄らずだ(正式リリース版はちゃんとインストールはできるらしいので単なる心理的な問題であることは付け加えておく)。
VMwareに限らず、利用できる仮想マシンが色々と存在する。先日マイクロソフトが買収したVirtual PCはMac OSで動くし、Linuxカーネル2.6からはUML(User Mode Linux)でLinux上でLinuxを動かせる。これもやたらと速くなりすぎたCPUのおかげだろう。1つのCPUに1つのOSというアトミックな構成を取る限り、その有り余るCPUパワーをフル活用できるのは3Dバリバリのゲームぐらいだろうか。処理としては思い仮想マシンを実現するには十分か環境が整ってきているのであろう。
実際、仮想マシンがあるととても便利だ。マシン1台でクラサバができる。ちょっとした動作確認をしたい時に、即座に別のシステムが使えるのは大変楽だ。以前ならイチイチOSからインストールしなおしていたようなことも、ファイルをコピーしておいて元に戻してやるだけでクリーンな状態の環境を入手できる。
難点はソフトの値段がやや高いことと、やはりそれなりのCPU速度とメモリ容量、ハードディスクが要求されることだ。それでもマシンをもう一台用意することの物理的な制約と比較すれば、十分選択肢となりうる。今後、よりハードウェアと仮想マシンの性能があがれば、仮想マシンでのホスティングなども当たり前のものになっていくだろう。
もし、まだ一度も使ったことがないようならば、30日間の評価ライセンスなども用意されているので、試してみてはどうだろうか。
[宮原 徹,びぎねっと]