| エンタープライズ:ニュース | 2003/04/11 09:47:00 更新 |

Keynote:「日本がデジタル社会の革新を担う」ゲルシンガー上級副社長
インテルは9日から開催中のIDF-J 2003 Springにおいて基調講演を行い、コンピューティングと通信の融合というテーマで、インテルのさまざまな技術について紹介した。
インテルは千葉県・ヒルトン東京ベイにおいて、4月9日から11日の3日間、Intel Developer Forum Japan 2003 Spring(IDF-J 2003 Spring)を開催している。開催2日目の10日の昼には基調講演が行われた。

2時間半という長時間に渡った基調講演では、インテル代表取締役社長ジョン・アントン氏の紹介に続いて、米インテル上席副社長兼CTOのパトリック・ゲルシンガー氏のオープニングスピーチ、さらに米インテルモバイル・プラットフォーム事業本部副社長兼事業本部長アナンド・チャンドラシーカ氏、ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング事業本部長のダリン・ビラービック氏、副社長兼デスクトップ・プラットフォーム事業本部長ウィリアム・スー氏が登場して、デスクトップ、モバイル、ハンドヘルドなどのインターネットクライアントにおけるインテルの取り組みについてスピーチした。
ゲルシンガー氏は、IT業界の現状について、「“過度の期待”の後の“過度な悲観論”による成長の“不合理な減少”の位置にある。が、これは新しい産業の正常な成長サイクルであり、今後は安定して一貫した成長が期待できる」と述べて、これからのIT景気回復に自信を見せた。短期的には、2003年は各調査会社もIT業界の成長を4〜7%と予測しており、要求は厳しい中でも確実な需要があるという。
また、日本でADSLやFTTHによるアクセスサービスの低価格化し急速に普及していることなどを紹介し、「日本は長い景気後退を経験したが、インターネットアクセスにおけるブロードバンドの普及やワイヤレスの普及は世界でも非常に進んだものであり、今後の“デジタルホーム”の実現において日本は非常にユニークな立場にある。日本はデジタル社会の革新を担っており、国内外でさまざまなビジネスチャンスがある」(ゲルシンガー氏)と述べて、IDF-Jに参加した技術者を勇気づけた。

技術面では、おなじみのムーアの法則の今後について触れ、今年の90ナノメートルプロセスに続き、2005年に65ナノメートル、2007年に45ナノメートル、2009年に32ナノメートルでの半導体製造の見通しが立っているという。さらに2011年には20ナノメートルになるだろうとコメントした。4世代先までのめどが立っているのはゲルシンガー氏がインテル入社以来初めてだとして、ムーアの法則が今後もしばらくは確実に維持されるとアピールした。
ゲルシンガー氏に続いては、チャンドラシーカ氏が3月に発表したCentrinoモバイル・テクノロジのデモを行ったほか、キーボードとディスプレイを分離可能なノートPCのコンセプトモデル「Newport」を披露した。ビラービック氏は携帯電話/ハンドヘルド機向けの「PXA」シリーズにおける、チップの小型化技術をアピールした。

最後に登場したスー氏は、90ナノメートルプロセスでの製造となる次世代Pentium 4「Prescott」とそれに対応して、来週投入するというPentium 4向け新チップセット「Canterwood」、「Springdale」について紹介。さらに2004年のデスクトップPCのコンセプトモデルとして、次々世代Pentium 4「Tejas」を搭載し、DDR2メモリ、PCI Expressを採用、発熱量を抑えて静音化・小型化した「Powersville」や、デュアル液晶ディスプレイの企業向け省スペース型コンセプトモデル「Marble Falls」のデモンストレーションも行った。

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[佐々木千之,ITmedia]
