エンタープライズ:ニュース 2003/04/15 18:31:00 更新


管理コスト削減という命題を解決する新しい「ZENworks」スイート

ノベルは、ポリシーベースの管理によって作業を自動化・簡素化し、システム運用管理コストの削減を支援する「Novell Resource Management」を発表した。その中核が、いくつかの新コンポーネントを盛り込んだ新しい「ZENworks」スイートだ。

 ある調査会社のレポートによれば、機器のコストのうち7割から、多いときには8割もが、初期導入費用よりも導入後の運用・管理コストによって占められているという。IT予算の縮小傾向が続く昨今、多くの企業にとって、この運用コストをいかに削減するかは大きな関心事だ。とはいうものの、単に運用コストを圧縮するだけでは問題の解決にはならない。数字の上でつじつまがあったとしても、今度はサービスの品質やセキュリティの維持といった部分でほころびが生じるはずだ。

 ノベルがBrainShare 2003でリリースした新しいリソース管理ソリューション、「Novell Resource Management」は、ポリシーベースの管理によって作業を自動化・簡素化し、この問題を解決するという。

 4月14日に発表されたNovell Resource Managementは、ノベルのネットワーク管理製品「ZENworks」を中核にしている。ZENworksはこれまで、サーバ向け、デスクトップ向け、PDA向けという具合に個別の機能ごとに提供されていたが、ノベルでは新ソリューションの発表と合わせ、一連の機能をスイート化して提供することとした。

 この新パッケージには、これら既存のZENworksの機能に加え、データ管理を支援する「Novell iFolder」や米ミラマーシステムズから買収した「Desktop DNA」技術が統合されている。iFolderを利用すれば、さまざまな場所に分散して配置されたデータを自動的に管理・保護することが可能だし、Desktop DNAでは、端末のイメージ取得・リカバリやソフトウェアの配布といった作業を行える。

 このとき、アプリケーション本体はもちろん、OS・アプリケーションの個別設定やブラウザのブックマーク、壁紙といったものまで移行・復元できることが特徴た。これを利用すれば、出先で端末が故障してしまった場合でも、速やかに元の状態へ復元させ、最小限の中断時間で作業を継続できるという。

 さらにこの新しいパッケージには、「Novell exteNd Director」を用いたWebセルフサービス機能も含まれている。

端末のライフサイクルを包括的にカバー

 しかしながら、TCOの削減を謳う統合システム運用管理システムは、ノベル以外の多くの企業からも提供されている。それらと比較した場合、ZENworksの、そしてNovell Resource Managementの特徴はいったい何だろうか。米ノベルのZENworks担当プロダクトマネージャ、リチャード・ホワイトヘッド氏は次のように説明している。

「(Novell Resource Managementに含まれる)各機能をそれぞれ個別に提供する製品ならば存在する。しかし、すべてを包括的に提供できるものは他にはない」(同氏)。特に、インストールから個別設定、イメージ取得とリカバリといった、マシンのライフサイクル全般にわたって包括的に、各局面で支援できることがポイントという。

 また例えば、サーバに対するパッチの適用・管理作業はセキュリティ対策上欠かせないが、管理者側の負担も大きい。新しいZENworksはこうした作業も支援する。また、もともとのZENworksのラインナップからも明らかだが、PCだけでなくサーバやPDAなど、多様なデバイス、多様なプラットフォームに対応しているため、小規模なシステムはもちろん、数千ユーザー規模の大規模システムでも活用できるという。

 もう1つの特徴は、同社のディレクトリサービス「eDirectory」の活用により、ポリシーベースの管理を実現していることだ。Novell Resource Managementはこれら一連の機能を通じて、「システムの複雑さと運用コストを削減し、投資から得られるリターンを最大化する」とホワイトヘッド氏は述べている。

 同氏によると、Novell Resource Managementは、ポリシーに基づく自動プロビジョニングとリソースの最適化といった自律的な管理機能も備えているという。「ネットワークにインテリジェンスを追加すれば、ポリシーに基づいた管理作業の自動化が可能になる。ひいては、事態が発生してから対応するリアクティブな管理に代わり、プロアクティブな管理が実現できる」(ホワイトヘッド氏)。

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[高橋睦美,ITmedia]