エンタープライズ:コラム 2003/04/16 20:46:00 更新


Linux Column:新入社員に教育を

この就職氷河期を乗り越えて入社してきた諸君は、期待と不安で胸一杯だろう。思い起こせば、私も大学を卒業してあるデータベース会社に入ったのだが、選んだ理由の一つにはUNIXができるということにあった。

 うちのスタッフがRed Hat Linux 9をインストールして試しているようだが、とりあえず何も言ってこないので大きな問題はないのだろう。ゆるゆると進化していくのもまたいいものだと思ったりするのは、春だからだろうか。Windows Server 2003が出てきたり、色々と評価したいものも増えてきているので、ゴールデンウィークに色々とやってみたいと思う。

 さて、いまさらという感じだが、今年も多くの会社では新入社員を迎えたことと思う。零細企業のわが社は新卒採用どころか中途採用もゼロだが・・

 この就職氷河期を乗り越えて入社してきた諸君は、期待と不安で胸一杯だろう。

 思い起こせば、私も大学を卒業してあるデータベース会社に入ったのだが、選んだ理由の一つにはUNIXができるということにあった。仕事で初めてUNIXに触れ、そして仕事で使い、そしてLinuxに出会って今に至る。果たして、今の新入社員諸君はどうなのだろうか。

 今では簡単に手持ちのPCにLinuxなりBSDなりをインストールして使えるし、Mac OS XもしっかりとBSDだ。しかし、恵まれすぎた環境ではかえって育たない、伸びない可能性もあるかもしれない。それは「憧れ」のような精神的な栄養剤が欠けているからかもしれない。けれども、そんなことを考えるのは頭の固いオールドタイプで、今の若い人は意外とクールに、UNIXやLinuxも使いこなしているのかもしれない。こんな事を言ってる時点で、ジジイ決定ですね。けど、一面の真実もあるだろう、ということで話を続けさせて欲しい。

 Linuxを始めた人に聞いてみると、Windowsなどと違ってコマンドラインでの操作というのは、いかにもコンピューターを操作しているという感じがしてカッコイイらしい。この辺りは、如何にコンピューターやOSが進化したとしても昔から変わらないらしい。私もそうだったからだ。確かに、道具を使いこなすという行為は、どんな分野でも人を惹きつけるのだろう。

 もちろん、格好だけではどうにもならない。技術者として、仕事人として若い人を育てるのは環境であり、直接、あるいは間接的にでも指導する先輩の役割だろう。皆さんも、自分が新人だった頃を、少し思い出してみてもいいかもしれません。

 話が逸れたのでLinuxに戻そう。Linuxを仕事で使うということを考えれば、忌避感は大分薄れた。例えば、技術的な指標としてはLPIなどがあるので、一定の技術を習得させる指針は出しやすくなったといえる。

 反面、フリーソフトウェアやオープンソースのフィロソフィーはいかにして受け継がれていくべきなのだろうか。その辺りの指針は、今のところわかる人間がわかればよい、というような面がなきにしもあらずではないだろうか。全くないわけではないが、啓蒙活動の量的・質的な拡大が今こそ必要な気がしている。

 今、この文章を読んでいる皆さんは、少なからずそのような考えを広めることができる立場にいると思いますが、皆さんならどのように伝えますか?

 これまた、ゴールデンウィークあたりにじっくりと考えて、そして(5月病の?)新人諸君に、是非伝えてあげてもらればと思います。もちろん、私もじっくりと考えますよ。成果は何らかの形で出せるとよいのですが・・

[宮原 徹,びぎねっと]