エンタープライズ:ニュース 2003/05/06 23:15:00 更新


次世代ASICで高密度10GbEを実現したファウンドリー

ファウンドリーネットワークスが、第4世代のASIC「Terathon」と、これを用いたテラビットクラスのレイヤ3スイッチ「BigIron MG8」のデモを披露した。

 ファウンドリーネットワークス(ファウンドリー)はNetWorld+Interop LasVegas 2003で、同社としては第4世代目のASIC「Terathon」と、これを用いたテラビットクラスのレイヤ3スイッチ「BigIron MG8」を披露した。

 BigIron MG8は、1つのシャーシに最大32ポートの10ギガビットイーサネット(10GbE)を収容でき、スイッチング容量は1.28Tpps。エンタープライズバックボーンを対象とした製品だが、若干オーバースペックに見えないこともない。しかし同社の説明によると、ギガビットイーサネットがサーバ、あるいはクライアントにまで普及していくであろうことを考えると、企業バックボーンにはこれだけの帯域が求められるという。

 ファウンドリーでは以前より10GbE対応製品を投入してきた。だが、これだけの密度でポートを収容し、しかも各ポートでワイヤスピードを実現できるものは、自社にも、また他ベンダーの製品にも存在しなかったと説明している。実際に同社ブースでは、BigIron MG8にXenpakインタフェースの10GbEを32ポート搭載し、米スパイレントコミュニケーションズの負荷テスト装置「SmartBits」を用いて、全ポートでワイヤスピードを実現する、といったデモが行われた。

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同社ブースのデモでは、32個の10GbEポートをフルに利用

 この処理能力を支えているのが新ASICのTerathonで、10GbEのみならず、その次に来るであろう40GbEも見据えて開発されたという。同ASICは0.18μmプロセスで製造され、8000万以上のトランジスタをパッケージングしたということだ。バックプレーン容量は40Gbps×2で、これによってはじめてすべて10GbEポートでワイヤスピードが可能になったという。

 また、ネットワークモニタリングとアカウンティング機能を提供する「sFlow」をハードウェア的に実装するほか、QoSやアクセスコントロールリストなどの機能を引き続き搭載。グリッド・コンピューティングやストレージといった用途をにらんで、最大9000バイトまでのジャンボフレームをサポートした。

 ファウンドリーは、同じくTerathonを用いたメトロエリア向けルータ「NetIron 40G」もリリースしている。その次のステップでは、他のエンタープライズ向け製品にもTeratheonをベースとしたアーキテクチャを展開する計画という。

 BigIron MG8は今年夏に出荷される予定だ。価格は、本体と管理モジュールが合わせて6万9900ドル。10GbEを4ポート搭載したモジュールは6万4995ドルという。

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関連リンク
▼Networld+Interop LasVegas 2003
▼ファウンドリーネットワークス

[高橋睦美,ITmedia]