エンタープライズ:ニュース 2003/06/05 06:48:00 更新


新たに2つ「緊急」の脆弱性、MSがIE用の累積パッチを公開

マイクロソフトは6月5日、Internet Explorer 6/5.5/5.01用の新たな累積パッチ(MS03-020)を公開した。

 マイクロソフトは6月5日、Internet Explorer(IE)用の新たな累積パッチ(MS03-020)をリリースした。IE用累積パッチの公開は、今年に入ってこれが3度目だ。

 MS03-020の対象となるのは、IE 6/5.5/5.01とIE 6.0 for Windows Server 2003。4月に公開されたMS03-015で修正された問題に加え、新たに2つのセキュリティホールを修正する。いずれも深刻度は「緊急」とされているため、Windows UpdateもしくはWebからダウンロードしたうえ、早急な適用が望ましい。

 なおIE 6.0 for Windows Server 2003の場合、これらの問題の深刻度は、上から3番目の「警告(Moderate)」となっている。

 今回の累積パッチで修正される問題点のうち1つは、米eEye Ditital Securityが指摘したものだ。IEのオブジェクトタグの「Type」プロパティに、バッファオーバーフローの脆弱性が存在する。これを悪用すれば、攻撃者が、対象となったPC上の任意のコードを、そのときログインしているユーザーの権限で実行できてしまう可能性がある。

 もう1つの問題は、ファイルダウンロード時のダイアログボックスで、ブロックを適切に実装していないことに起因する。この問題も、悪用されればPC上の任意のコードを実行されてしまう可能性がある。しかもこれは、仕掛けを施したHTML形式の電子メールなどを通じて、ユーザーが気づかないうちに悪用されてしまう恐れがあるという。

 なお作業の際には、Windows Updateに起因する問題などがないかどうか、マイクロソフトの「トラブル・メンテナンス速報」もチェックしておくことをお勧めする。

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関連リンク
▼MS03-020 に関する情報(日本語速報)
▼MS03-020: Cumulative Patch for Internet Explorer (818529)
▼Internet Explorer Object Type Property Overflow(eEye Ditital Security)

[ITmedia]