エンタープライズ:ニュース 2003/06/11 16:20:00 更新


日本IBM、多次元分析ソフトウェアを連携するDB2新製品を発表

「事実から新しい方向性を」日本IBMソフトウェア事業部副事業部長の安田誠氏はこう語り、多次元分析を簡単に行うためのソフトウェアを紹介した。

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は6月11日、本社で会見を行い、多次元分析(OLAP)機能を拡張するソフトウェア「DB2 Cube Viewsバージョン8.1」を7月25日から出荷することを発表した。

安田氏

多次元分析で「事実から新しい方向性を」と語る日本IBMソフトウェア事業部副事業部長の安田誠氏。


 同製品は、同社のデータベース「DB2」のOLAP機能を拡張するコンポーネント。ファクトテーブルを指定することで、関係保全規約に基づいてディメンションテーブルの抽出を行い、多次元メタデータをDB2上に構築し、最適化されたMQT(Materialized Query Table)を自動で作成できる。

 従来は、目的ごとにソフトウェア間で共有する分析テーブルを作り込む必要があったが、同製品は、分析用テーブル情報を自動作成しDB2内で一元管理するため、開発コストやメンテナンスコストを削減させながら、企業内のあらゆるデータを有機的に結合させることで、販売分析や顧客分析への活用などに的確に反映させられる。

 また、多次元メタデータはXMLで記述され、DB2へのアクセスをサポートする他社のビジネス・インテリジェンス(BI)ツールにインポート、エクスポートするユーティリティも用意されている。

 このほか、「DB2 Query Patrollerバージョン8.1」、「DB2 Office Connectバージョン4.0」、「DB2 UDB Data Warehouse Editionバージョン8.1」も同時に発表された。

 DB2 Query Patrollerは、ユーザーのシステム利用状況を監視し制御するツール。応答時間やスループットの監視、キャッシュされた照会の共有、データウェアハウス使用状況の照会などの機能を提供する。

 DB2 Office Connectバージョン4.0は、Microsoft Excelにアドインとして登録され、CubeViewsとの接続を提供する。ピボット・テーブルの操作で、対応するデータをCubeViewsから直接呼び出すことが可能。また、きめ細かいセキュリティ制御機能を利用することで、エンドユーザーの権限や職務に応じて必要なデータだけを表示できる。

 DB2 UDB Data Warehouse Editionバージョン8.1は、BIシステムの構築に必要なソフトウェアを統合したパッケージ。クラスタリングなどにも対応し大規模なデータウェアハウス向けの「Enterprise Edition」と、標準的な構成に対応する「Standard Edition」の2モデルが用意される。パッケージにはDB2 UDBとIntelligent Minerが同梱されている。

 価格は、「DB2 Cube Viewsバージョン8.1」と「DB2 Query Patrollerバージョン8.1」が134万1000円から。「DB2 Office Connectバージョン4.0」が4万4800円から。「DB2 UDB Data Warehouse Editionバージョン8.1」が268万2000円から。

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[西尾泰三,ITmedia]