エンタープライズ:ニュース 2003/06/13 19:26:00 更新


JBoss開発者、JavaOneの陰に集う

J2EE互換性をめぐりSunと対立状態にあるJBoss開発者が、JavaOneの会場のすぐ近くでカンファレンスを開いた。(IDG)

 オープンソースのアプリケーションサーバソフト「JBoss」の開発者が6月11日、文字通りSun MicrosystemsのJavaOneの陰で、独自のカンファレンスを開催した。

 彼らはJavaOneが開かれているサンフランシスコのモスコーニセンターからわずか数百ヤードしか離れていないソニーMETREONアクション・シアターで、1日限りのカンファレンスを実施した。

 その日は一日中、約200人のJava 2 Enterprise Edition(J2EE)開発者――そのほとんどはJavaOneの参加証をつけていた――が、興味を持ったJBossカンファレンスのディスカッションに出入りし、JBossとSunのとげとげしい関係やJBoss Groupの新しいライバル、Core Developers Networkにまつわるゴシップをささやき合っていた。Core Developers Networkは、JBoss Groupの元社員数人が最近結成した企業(6月7日の記事参照)。

 JBoss Groupは、オープンソースのJBoss J2EEサーバの開発をとりまとめている企業で、ここ1年にわたり、JBossの互換性認定をめぐる論争に巻き込まれている。SunはJBossにJ2EE互換の認定を与えようと考えているが、JBoss Groupは、サンの認定プロセスは費用がかかる上に、顧客にとっては重要でないとしている。

 「顧客がわれわれに認定を受けてほしいと言うだろうか? ノーだ」とJBoss Groupの販売・事業開発担当ディレクター、ベン・サブリン氏は語る。JBoss Groupは今でもJ2EE認定についてサンと話し合っていると同氏は言い添えた。

 カンファレンスに参加したJBossユーザーたちは、サブリン氏の発言について次のように語っている。「私としては、認定は重要ではない」と語るのは1万2000人の従業員を抱えるオフィスサプライ企業、Corporate Expressで技術アーキテクチャ担当副社長を務めるアンドリグ・ミラー氏。同氏によると、Corporate Expressは最近、J2EE認定製品「WebLogic」「WebSphere」からJBossに乗り換えたが、何の問題もなく移行できたという。JBossは、Sunの認定テストを受ければ合格できるだろうと同氏は予測している。

 Sunの関係者もこれと同意見だ。「誠実に互換性に取り組めば、JBossは簡単に認定を受けられるだろう」とSunのOEMライセンス担当マーケティングマネジャー、リック・サレッタ氏。

 しかし、同氏はJBoss Groupの「誠意」に疑問を抱いており、同社の創設者兼社長マーク・フルーリ氏は、JBossがオープンソースプロジェクトであることを口実に、Sunが他社に求めているJ2EE認定を不当に避けてきたと示唆している。「われわれは反オープンソースの姿勢を取っていると思われたくない。フルーリ氏はオープンソースという壁の後ろに隠れている。同氏とJBoss Groupは標準に背いている」とサレッタ氏は語る。

 フルーリ氏はこの批判に異を唱えている。「認定マークは商品であり、価格がついている。その価格は高く、われわれが進んで払おうと思う額を超えている。私は、オープンソースのJ2EE認定は無料であるべきだと思う」

 JBoss Groupは米太平洋時間午後7時、カンファレンス出席者向けに無料の映画上映会を開催した。上映作品は「マトリックス・リローデッド」だ。

 マトリックスを選んだのには意図があるとフルーリ氏。「われわれの仲間になる人は、自分の会社の現実を離れて、赤い錠剤を飲んでJBossへたどり着くのだ」

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[Robert McMillan,IDG News Service]

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