エンタープライズ:ニュース | 2003/06/17 23:18:00 更新 |
顧客満足度向上が大前提、MSのエンタープライズサービス
マイクロソフトは6月17日、月例プレス説明会を開催。同社のエンタープライズサービスについて話した。顧客満足度向上が大前提で定量的な売り上げを重視しないというが、企業向けサービスはマイクロソフトが注力する分野のひとつだ。
「エンタープライズサービスにおいては、顧客満足度の向上が大前提。定量的な売り上げを重視していない」。マイクロソフト コンサルティング本部の樋口恵一部長は月例プレス説明会で、このように述べた。
ITサービスビジネスは、アウトソースサービスなどを中心に世界的にも好調な分野のひとつ。ガートナーデータクエストの「日本のITサービス市場予測」によると、日本においても順調な成長が予測されており、ITサービスは有望な市場だ。樋口氏は定量的な売り上げを重視しないと話すが、マイクロソフトも注力する分野のひとつだ。
ハードウェアメーカーが強い国内では、コンサルティングやサポートといったITサービスはハードウェア製品の差別化のために提供される面が強かった。しかし最近では、基幹系アプリケーションの再構築ニーズや運用管理アウトソーシングビジネスを中心にした欧米型に近い、ソフトウェア主体のサービスへと移り変わり始めている。
マイクロソフトでは、企業向けサービスとして「コンサルティングサービス」と「テクニカルサポート」の2つを両輪にサービス展開している。
「顧客は企業のITライフサイクル全体におけるサービスをシームレスに提供することを求めている。マイクロソフトではそれを実現することを目指している」(樋口氏)。企業システムを計画、設計、構築、運用と、ひとつのライフサイクルとして考え、すべてのフェーズにおいて切れ目なく提供できるのが、現在のITサービスのポイントだという。
同社のエンタープライズサービスをITライフサイクルの各フェーズに当てはめれば、コンサルティング本部が計画・設計フェーズを担当。構築・運用フェーズではエンタープライズサポート本部とコンサルティング本部が連携して提供する形になる。
コンサルティングサービスを提供するMCS(Microsoft Cosulting Services)は、企業規模や戦略などに基づき、顧客を複数に分類。それぞれに対し、サービスプログラムを用意している。例えば、グローバル企業など上位に位置付けられる企業には、マイクロソフトから直接コンサルタントを派遣する。一方、企業数も圧倒的に多い中小規模企業に対しては、認定コンサルティングパートナーを通じて幅広くカバーする。
認定パートナーに対しては、ベストプラクティスやコンサルタントノウハウをドキュメント化した手順書「Microsoftコンサルティングエクスプレス」および認定コンサルタントの育成サービスをそろえている。
テクニカルサポートでは、プレミアサポートとプロフェッショナルサポートの2種類を用意。プレミアサポートは上位に位置付ける企業に対し、プロフェッショナルサポートは中小規模企業に対して提供する形態をとっている。
プレミアサポートにはエンドユーザー向けのメニューだけでなく、OEM企業向けのものもある。新しいメニューには、Windows CE.NETなど組み込みOS向けの「Embedded Premier Support」といった、特定プロジェクトの開発フェーズをサポートするメニューも用意されている。
「製品パッケージの中に保守料を組み込むのが通常だが、マイクロソフトでは製品とサービスを切り分けて考えている。エンタープライズサービスの収益の割合は、他社に比べても低いと思う」と、樋口氏はエンタープライズサービスが顧客満足度重視である点を終始強調していた。
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「Microsoft Consulting Services」
マイクロソフト
[堀 哲也,ITmedia]