エンタープライズ:ニュース 2003/06/18 21:45:00 更新


PeopleSoftが顧客出演の新聞広告でOracleの買収提案を非難

PeopleSoftのは新聞の全面広告を使い、同社の顧客がOracleの買収提案を不快に思っていると訴えている。(IDG)

 PeopleSoftは6月18日、Oracleによる敵対的買収提案に対抗する一般向けキャンペーンに踏み出した。新聞の全面広告に10人のPeopleSoft顧客を登場させ、買収提案を非難しているのだ。

 「われわれはOracleの製品も検討したが、PeopleSoftを選んだ。彼らの最近の行動を見て、もう二度と検討しないことに決めた」とIMI BEVCORe Solutionsの社長兼CEOであるレイ・ウェレット氏は18日に発行されたWall Street Journal紙ヨーロッパ版に掲載された広告の中で述べている。

 この広告キャンペーンは、2週間前にOracleによるPeopleSoft買収提案で始まった、エンタープライズ・ソフトウェア・プロバイダーによる戦いの最新のラウンドだ。Oracleは51億ドルでPeopleSoft買収を提案したが、その数日前にはPeopleSoftがJ.D. Edwardsの買収計画を発表したばかりだった。

 両社とも今週、新聞の全面広告を使って乱戦を繰り広げている。

 Oracleの敵対的提案は業界に嵐を巻き起こし、最終的にはPeopleSoftによるJ.D. Edwards買収を脅かすに至っている。今週初め、Oracleの買収に直面したPeopleSoftとJ.D. Edwardsは合併契約を修正し、契約成立を早めようとしている。

 18日にスタートするこの広告キャンペーンは、乗っ取りを回避したいPeopleSoftが繰り出した防御策の最新のもので、同社の顧客と株主の感情に訴えかけることを目的としている。PeopleSoftは財務目標を達成するために顧客とのソフトウェア契約をクロージングに持っていきたいが、もしもOracleの乗っ取りが成功すれば製品の行く末に不安感が漂うことになる。

 ユーザーによる証言の一つは、University of Massachusettsのシステム管理担当ディレクターであるブラッド・リドリー氏によるもの。「OracleがPeopleSoftの新しいコードライン開発を終わらせるかもしれない提案をしているという事実は、顧客の気持ちを踏みにじるものだ」と同氏。

 英国のOracleの代表はこの広告に関するコメントを拒否した。

 また、The Distributors and Manufacturers' User Group (DMUG) は同日、PeopleSoftがOracleの提案を拒否したことを支持する声明を発表した。「OracleはPeopleSoftの顧客を尊重していないに等しい。ミッションクリティカルなアプリケーションを動かしている製造業が、別のベンダーのソフトに『すんなりと』しかも最小コストで移行できると信じているとは」とDMUGは述べている。

 DMUGは独立系製造会社による団体で、Oracleの乗っ取り提案によりPeopleSoftの顧客がOracle製品に移行すれば何百万ドルもかかってしまうと主張している。

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[Scarlet Pruitt,IDG News Service]

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