エンタープライズ:ニュース | 2003/07/14 15:52:00 更新 |
自動化、仮想化による「コンピューティング・オンデマンド」を展開するCAの戦略
米Computer Associatesラスベガスにおいて、同社の戦略や製品、サービスなどを紹介する年次カンファレンス「CA World 2003」を16日までの予定で開催した。
米Computer Associates(CA)は7月13日、ラスベガスにおいて、同社の戦略や製品、サービスなどを紹介する年次カンファレンス「CA World 2003」を16日までの予定で開催した。セキュリティ、ストレージ、エンタープライズマネジメント、ポータルおよびビジネスインテリジェンス、アプリケーションライフサイクル管理、データマネジメントの6つをコア分野として、ITを電気や水道のように利用する「コンピューティング・オンデマンド」の展開を掲げる同社。同様の構想を描くIBMやHewlett-Packard(HP)とは、網羅性のある製品ラインによって、IT管理を「ビジネスの課題」と位置づけることで差別化していく。
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基調講演に立った同社のサンジェイ・クマーCEOは冒頭、「OracleやPeopleSoft、J.D.Edwards、またLegato Systemを買収したEMCなど、業界における統合の波が押し寄せており、これに対応して、単体の機能を提供する製品よりも、統合スイートが主流となる」と業界の流れについて触れた。
同氏は、企業のネットワーク環境の複雑性が増していることから、顧客は、さまざまなデバイスやツールを統合して管理を簡単にすることを望むとする。
同社の中心的な製品の一つであるUnicenterは、ネットワークの自動運用管理、ITリソース管理、障害の自動的な発見、構成の自動設定、リソースの自動管理など、システム管理をサービスとして提供することを目指すコンピューティング・オンデマンドにおける重要な製品となっている。
また、Webサービスによるアプリケーション統合や、音声やビデオ、データのすべてをIP上に載せる考え方All Over IP、ワイヤレスインフラなども、今後取り組むべき分野として強調している。
一方、今回のCA Worldでは、同社のLinuxへの取り組みが改めて示されている。
米国では金融セクターにおけるLinux採用が本格化しており、メインフレームLinuxによるサーバ統合が注目を浴びているという。コストではなく、スケーラビリティの高さを評価されており、現在はまだあまり楽観的なムードが広がらない日本市場でも、今後採用が進む可能性が非常に高いとしている。
7月15日には、「Linux Solution Day」が開催される予定で、リーナス・トーバルズ氏や、VA Softwareのラリー・オーガスティン氏など、Linuxを代表する人々がパネリストとして登場し、ビジネス環境におけるLinux使用などについて討論するという。
米国では、ソフトウェア業界の中心プレーヤーとして知られるCAだが、日本ではまだそれほどの知名度はない。そのため、同社の今後の戦略では、日本市場におけるプレゼンスの向上を図っていく。
関連リンクコンピュータ・アソシエイツ
[怒賀新也,ITmedia]