エンタープライズ:ニュース 2003/07/16 20:32:00 更新


「LinuxはCA」の下に集まった豪華な顔ぶれ

CA World 2003で、「Linux@CA」を掲げる同社は、Linuxにおける著名人を集めたラウンドテーブル「Linux Solution Day」を7月15日に開催した。

 米Computer Associates(CA)は米ラスベガスでCA World 2003を開催している。その中で、「Linux@CA」を掲げる同社は、Linuxにおける著名人を集めたラウンドテーブル「Linux Solution Day」を7月15日に開催した。

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左からグリーンブラット氏、トーバルズ氏、“マッドドッグ”ホール氏、オーガスディン氏、ペレス氏、エバンス氏、ゲック氏。

 参加したのは、Linuxの創設者でOSDL Fellowのリーナス・トーバルズ氏、President/Director of Linux Internationalのジョン・“マッドドッグ”ホール氏、VA Softwareのラリー・オーガスティンChairman、米Oracleのバイスプレジデントを務めるジェイ・ペレス氏、RedHatのバイスプレジデント、マイケル・エバンス氏、SuSE LinuxのCTO、ヨルゲン・ゲック氏、また、モデレータとしてCAのチーフアーキテクト、サム・グリーンブラット氏の7名。

 記者の質問に対する自由討論の形で行われたセッションは、Linuxに関するさまざまな話題に飛んだ。

 まず、最初はSCOの問題。これに関しては、トーバルズ氏を含め登壇者はあまり関心がないようだ。「音の割には実際への影響が少ない。」としてやり過ごしてしまった。

 Linux関係者の希望を示す話題としては、ミュンヘン市がデスクトップPCにLinuxを採用したことが挙げられた。VAのオーガスティン氏は、「デスクトップへのLinux導入は遅れているのではないか?」との話題でこれに触れている。

 また、このセッションでは、Linuxカーネルの汎用性の高さについても議論された。

 欧米では、Linuxのハイエンド分野での利用が進んでおり、米金融セクターでは証券11社がLinuxを利用しているという。また、メインフレームLinuxによるサーバ統合も積極的に展開されており、コストメリットよりも、スケーラビリティが評価されている。

 RedHatのエバンス氏は、「数年前は(Linuxの)竜巻が近づいてくるのを見ていた。今は竜巻の中にいる。」と話す。同氏はLinuxがいかにビジネスや学校で利用されているかをアピールした。

 CAのグリーンブラット氏は、Linuxはこれから今は見えていない「ガラスの天井にぶつかるのではないか」という質問に対して、Linuxはメインフレームでも、携帯電話でも動いていると汎用性をアピールし、「床もなければ天井もない」と対応した。

 一方、トーバルズ氏は、Linux発展を振り返った際、「カーネル1.0のリリースはうれしかった。0.99までは企業は売りづらいので」と話した。

 日本市場では、メインフレームでLinuxを採用しているユーザー企業は50社、組み込み系デバイスでの利用が目立つが、全体的にはまだ控えめなムードという。ハイエンドへの進出が目立つ欧米市場とは温度差があるようだ。

 CAは1999年からLinux事業を開始し、現在ではビジネスの25%がLinuxに絡んでいるという。また、OSDLにも参加し、セキュリティの拡張やデバイスドライバの開発などで寄与しているという。

[怒賀新也,ITmedia]