エンタープライズ:ニュース 2003/07/18 21:28:00 更新


Sunがポータル用Java標準を組み込んだSun ONE Portal Serverを準備中

ポータルサーバで使われる「ポートレット」に関するJava規格が、Sunの次期ポータルサーバ、Sun ONE Portal Server 6.2に組み込まれる。(IDG)

 Sun Microsystemsは新バージョンのポータル・サーバ・ソフトウェアを計画していることを7月17日、発表した。新バージョンでは企業がポータルを構築するときに時間と労力を節約できるJava規格案がサポートされている。

 この規格案はIBM、BEA Systemsをはじめとするポータルベンダーが支援しており、新しいJava標準の開発を監修するJava Community Processによる専門評価が終わっており、17日からJCPのウェブサイトで公開コメントをリリースする。Sunによれば、この企画案が正式なものになるのは9月初めだという。

 Sunは来週初めに十数社の大口顧客に配布されるSun ONE Portal Server 6.2のベータ版でこの企画案をサポートする予定だ。Sunはこの製品の最終バージョンを9月中旬に出荷予定であるとSunのプロダクト・ライン・マネジャーであるアダム・アブラムスキー氏は説明する。IBMはSunと共同でこの規格の開発に当たっており、同社も自社のポータル製品でサポートを予定しているとIBMの広報は述べている。

 ポータルは基本的に、エンドユーザーのために情報を集めたウェブサイトのことで、そこには天気予報、ニュース、電子メールや販売自動化ツールなどのアプリケーションが含まれる。さまざまな要素が従業員や顧客がパーソナライズすることができる「ポートレット」、つまり情報の窓の形をとって表示される。

 現在、ポータルの導入で一つ問題なのが、あるポータルサーバ向けに設計されたポートレットが別のベンダーのサーバでは簡単に導入できないということだ。これは、一つのポータルベンダーに依存してしまうというビジネス上のリスクにつながる。または、ポートレットを別のプラットフォームで使えるように再コーディングするわけだが、これは時間と費用をかけることになる。

 この規格案“Java Specification Request (JSR) 168”の目標の一つは、デベロッパーが一つのポートレットを書けば、それが規格対応のサーバならば修正なしか、わずかな修正で動作することが可能になるよう、API(Application Programming Interface)を規定することにある。JSR 168は「おそらく、ポータル分野においてJavaとインターオペラビリティに関する主要な標準となるだろう」とMeta Groupのアナリスト、デビッド・ヨッケルソン氏は述べる。

 「あるポータルベンダーに決めて、それが168互換だとすれば、その会社のプロプライエタリな導入方法を使って自分用のポートレットを開発しなくてもよい。後で別のポータルサーバを導入してもいいのだ。また、ポータルを2つ持っていた場合、一つがB2Bで、もう一つがB2Cだったとすると、既に使っているポートレットを再利用するか、少なくとも自分の環境の中で開発環境を底上げすることができる」と同氏。

 ポータルは「長い期間続くことになる」とヨッケルソン氏は予想する。初期の試みが失敗したのは、必要な情報にビジネスプロセスの一部、成功に不可欠な要素などを欠いていたからだ、と同氏は説明する。しかし、ポータルソフトウェアの価格は下落しており、18カ月前は1シート当たり70ドルだったのが、いまでは大量導入時には1シート当たり10ドルにまで下がっている。これにより採用は加速すると同氏は見ている。

 SunとIBM以外でJSR 168を支援しているのはBEA、Oracle、Sybase、SAPとその他の数社である。ほとんどの企業が次期ポータル製品でこの標準をサポートする予定だ。

 この規格はWSRP (Web Services for Remote Portals) とも互換性を持つ。WSRPはOrganization for the Advancement of Structured Information Standards (OASIS) が策定した標準だとJSR 168規格の共同主任エンジニアであるアレハンドロ・アブデルヌール氏は説明する。

 「WSRPはウェブポータルが使用し、表示し、別の場所で使われているポートレットとやり取りするためのウェーブサービス標準で、これを使うとポートレットをポータルサーバ自体にポートレットを導入する必要がなくなる……。オペレーション毎の共通のWSDL (Web services definition language) のやり取りを規定する」と同氏。

 Sun ONE Portal Serverとともに、SunはPortlet Builder 2.0でもJSR 168をサポートする。Portlet Builder 2.0はSun ONE Developer Studioのプラグインである。このプラグインは来週、すべてのSun登録デベロッパーが入手可能になり、JSR 168互換のポートレットの開発・検証を始めることができる。JSR 168を使ったポートレットのサンプル・ソース・コードとホワイトペーパーもアクセスできるようになるとSunは述べている。

[James Niccolai,IDG News Service]

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