エンタープライズ:ニュース 2003/08/27 18:03:00 更新


FreeBSD向けのJDK 1.3.1バイナリパッケージが公式配布

The FreeBSD Foundationより、待望のFreeBSD向けJDK 1.3.1バイナリパッケージがリリースされた。1.3.1は時代遅れなバージョンだが、JavaプラットフォームとしてのFreeBSDの可能性が広がったとして重要な意味合いを持つ。

 2003年8月25日、FreeBSDプロジェクトを支援する非営利団体「The FreeBSD Foundation」のWebサイトにおいて、Java Development Kit 1.3.1(JDK)バイナリパッケージの配布が開始された。通称のJDKとは、サン・マイクロシステムズが提供するJava開発用キットのこと。クラスライブラリ、Javaコンパイラや仮想マシンなど、Javaテクノロジを利用する上で必要なソフトウェアなどが含まれている。

 今回The FreeBSD Foundationが配布するバイナリパッケージは、JDK 1.3.1をFreeBSD向けに修正しビルドしたもの。FreeBSD 4.8-RELEASE向けのバイナリだが、以前の4.xでも利用ができる。残念ながら、5.xではバイナリ互換性の問題があり利用不可だ。現行のJava2は1.4であり「遅れている」という感は否めないが、FreeBSD初のネイティブなJDKが初めてバイナリパッケージとしてリリースされた点は、新たな展開といえる。なお、The FreeBSD Foundationは引き続きJDK 1.4のバイナリパッケージを配布する準備を進めているという。

JavaプラットフォームとしてのFreeBSDの位置づけが変化する

 これまでは、FreeBSD上でのJavaはあくまでも非公式のものだったため、業務用途へ利用しにくいという問題があった。そのため、オペレーティングシステムとしてのFreeBSD自体が敬遠されたり、たとえ開発はFreeBSD上のJDKで行ったとしても、本稼動にはLinuxやSolarisなどJavaを公式サポートするOSを利用するケースが多かった。

 今回配布が始まったJDKバイナリパッケージは、サン・マイクロシステムズが規定する互換性テストを満たしたものである。これは、FreeBSD上でJavaが仕様通りに動作すると確認されたことを意味するものだ。これにより、FreeBSDのJavaサポートが公式なものとなり、Javaを利用したシステムがFreeBSDで構築される事例も出てくることだろう。

 もう1つの注目すべき点は、FreeBSDにおけるJavaの導入作業が格段と容易となる点だ。これまででもJDKをFreeBSD portsの仕組みを通してインストール可能だったが、非常に厄介だった。JDKをユーザ自身でビルドするには、JDKソースコードに加え、ビルド済のJDK、もしくはLinux版のJDKバイナリパッケージを用意する必要があったからだ。

 これは、JDKのビルドに際し「動作する」Javaが要求されるためである。FreeBSD向けのビルド済JDKはこれまで配布されていなかったため、初めてJDKを構築する時には、Linux版のJDKバイナリパッケージをLinuxエミュレーション機能で利用するしか方法が無かった。

 たとえ、必要なファイル群を揃えたとしても、JDKのビルドには多大なディスク容量および時間を要する。ホストの性能によってはビルド作業に丸一日かかってしまうこともあり、ビルド済のJDKバイナリパッケージを求める声も多かった。

バイナリパッケージ配布までの2年間は困難な日々だった

 JDK 1.3.1がFreeBSDに移植されportsコレクションに加えられたのは、2001年8月のことである。2001年12月には、The FreeBSD Foundationがサン・マイクロシステムズとの長期に渡る交渉の末にJDKおよびJRE(Java Runtime Enviromentの略で、Javaテクノロジを実行するために必要な仮想マシンおよびクラスライブラリなどをパッケージ化したもの)の配布する権利を獲得した。

 しかし、2001年1月にリリースとなったFreeBSD 4.5にはJavaが含まれるだろうと期待されたが、サン・マイクロシステムズが規定する互換性テストを通過できず、これまで見送られ続けていたという経緯がある。

FreeBSD 4.9-RELEASEにはついにJava搭載なるか

 ところで、JDK 1.3.1バイナリパッケージが公開された8月25日には、FreeBSD-STABLEブランチが4.9-RELEASEに向けコードフリーズに突入し、本格的なリリースエンジニアリングが開始された。この日付の一致はJDK、もしくはJREをFreeBSD 4.9-RELEASE配布物の一部として、もしくはパッケージコレクションとしての収録を狙っている可能性も考えられるのではないだろうか。

関連リンク
▼The FreeBSD Project
▼FreeBSD Foundation Java Downloads
▼FreeBSD Java Project
▼オープンソース Update

[長谷川 猛,ITmedia]