エンタープライズ:ニュース | 2003/08/28 20:40:00 更新 |
「メモすることを“ワンノ”と呼ばせたい」、Officeの新アプリOneNote
マイクロソフトのOffice Systemは、新ジャンルのアプリケーションを加え、新しいライフスタイルを提案しようとしている。デジタルノートアプリケーション「Office OneNote 2003」はその一つだ。
「これからはメモすることを“ワンノ”って呼んでほしいですよね」。Office Systemのラインアップに加入した新製品「OneNote」を担当する河端洋幸プロダクトマネジャーは、この新製品で“メモを取る”という日常的な行動スタイルを変化させていこうと鼻息荒い。8月28日、プレス向け「Office Systemテクニカルセミナー」が開かれた。
OneNoteは、従来紙で取られるメモの自由度を保ちながらデジタルの持つ情報整理などの効率性を生かすという、いいとこ取りを目指した製品。これまでノート、付箋、PC、ICレコーダーなどで行っていた情報収集手段をOneNote一つにまとめ、思考を途切れさせず情報を活用にまでつなげられるものになったという。
キーボード、音声、Webページのスクラップ、Tablet PCであれば手書きでメモを取ることができ、ルック&フィールはOfficeとほぼ同じ、誰にでもすぐ使えるようにした。情報整理にはタブ形式を採用し、書き込んだメモにフラグを付けることで意味を持たせることができる。このフラグにより、後から情報をさまざまに引き出せるようになる。
「PCのメモ帳で行うと、メモにもかかわらず、名前を付けて保存場所を指定しろ、なんて面倒じゃなかったですか?」と、書き込んだ情報が自動的に保存されるなどメモの特性を考慮して開発した。音声を録音しながらメモをとれば、音声とメモが紐付けされ、メモした時点の音声を再生できるのもその考慮の一つ。左利きのTablet PCユーザーのために、タブの方向を反対にすることもできる。
また、送信側が「Outlook 2003」を利用しており、受け手がHTMLを表示できるメーラーであれば、電子メールでOneNoteのメモを送信、共有できる。
メモは誰もが日常当たり前のように行う作業。だが、決め手となる効率的な手段がないため、各自が苦労しながら工夫を重ねている命題でもある。マイクロソフトが日本人会社員600人に対して行った調査では、どこにメモを取ったか忘れる人が70%、ノートで取ったメモをワープロで打ち直している人は56%もいたという。
「面白い調査結果ですよね。便利な世の中になりましたが、メモの情報はまだバラバラなんです。これからはOneNoteに取ったということさえ覚えていれば十分。キャンパスなどでは、メモすることを“ワンノ”って呼んで使いこなしてほしいですよね。PowerPointはすでに“パワポ”と呼ばれて定着してるわけですから」(河端氏)
OneNoteパッケージは、推定小売価格2万4800円で10月24日に発売される。ボリュームライセンスの受け付けは9月1日から。主要ターゲットの一つである学生に向けたアカデミックパッケージは推定小売価格5800円と、戦略的な価格で発売となる。
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[堀 哲也,ITmedia]