エンタープライズ:ニュース 2003/10/07 11:00:00 更新


Windows Storage Server 2003日本語版発表、NECがいちはやく対応NASデバイス投入

マイクロソフトは10月7日、NAS向けに特化させた最新OS「Windows Storage Server 2003」日本語版を発表した。NECが他社に先駆けハイエンド対応デバイスの販売を開始した。

 マイクロソフトは10月7日、NAS向けに特化させた最新OS「Windows Storage Server 2003」日本語版を発表した。これに合わせ、NECが対応製品の販売を開始。NECに続き、アイオメガ、イーエムシー ジャパン、デルコンピュータ、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所から対応デバイスが発売される予定だ。

 Windows Storage Server 2003は、Windows Server 2003をNAS向けに組み替えたOS。Windows 2000 Serverをベースにした「Windows Powered NAS」の後継と位置付ける。成長の一途にある国内NAS市場で、2002年Windows Powered NASは47%のシェア(IDC Japan)を獲得する強さを見せているという。

 NECを皮切りに今後発表されるWindows Storage Server 2003搭載NASデバイスは、Webブラウザベースの管理ツールで共有設定を行いLANに接続するだけで、Windows Server 2003の持つ利点を利用できるのが特長。マイクロソフトの資料によると、Windows Storage Server 2003は15分以内に展開できるように設計されている。

管理インタフェース

Webブラウザベースの管理インタフェースでリモート管理が可能(画面はiStorage NSシリーズのもの)


 Windows Server 2003では、スナップショット機能のVSS(Volume Shadow Copy Services)や、複数ストレージを抽象化して一元管理できるVDS(Virtual Disk Service)、名前空間を仮想化するDFS(Distributed File System)といったストレージ向けの技術が強化されたが、Windows Storage Server 2003はこれら機能をさらに容易に利用できるようにするとあって注目されている

 CIFS、NFS、Netware、AppleTalkなどのプロトコルをサポートし、UNIX、Netware、Macなどが混在している環境での利用にも向く。またActive Directoryによる統合も可能。ファイバチャネルおよびiSCSIをサポートさせることもできる。

 「企業にとって情報は最も価値ある資産。ストレージはこの情報のハブといえる存在と認識している。Storage Server 2003は、既存のWindows NASに比べ、データの可用性、パフォーマンスなどを向上させている」とマイクロソフトの藤本浩司マネージャ(サーバプラットフォームビジネス本部 Widows Server製品部)。

 対応ソフトとしては、コンピュータ・アソシエイツ、セイ・テクノロジーズ、ベリタスソフトウェアからの提供が発表されている。

NECがハイエンド市場へ向け、対応デバイス投入

 NECは同日、いちはやくWindows Storage Server 2003に対応したNASデバイス「iStorage NS430/510G」の2製品を投入した。これら製品はiStorage NSシリーズの中/上位モデルとして販売される。まずはハイエンド市場にWindows Storage Server 2003搭載製品を投入し、徐々に下位モデルも対応していく方針だ。同社が主要ターゲットにすえるのは、複数部門のファイルサーバ統合および、CADやCGなどの大容量データを処理するエンジニアリング企業としている。

iStorage NS510G

iStorage NS510G


 NECによると、Windows Storage Server 2003を搭載したことで、従来モデルに比べてファイルの入出力パフォーマンスが約20%向上したという。

 上位機種となるNS510Gは、CPUにXeon/3.06GHzを2基搭載し、メモリ2Gバイト(最大4Gバイト)、HDD72.6Gバイトを備える。ファイバチャネルコントローラも2基搭載しており、ファイバチャネルストレージの「iStorage Sシリーズ」と接続することで、最大26Tバイトをサポートできる。また、オプションのクラスタソフト「iStorage NS510G専用クラスタキット」(115万円)を利用すれば、最大8ノードのフェイルオーバークラスを構築できる。

 中位モデルのNS430は、Xeon/2.40BGHz(最大2基)、メモリ1Gバイト(最大3Gバイト)、HDD512.1Gバイト(最大10.9Tバイト:外付けSCSIディスクアレイ接続時)を搭載する。

 価格はNS430が148万円から、NS510Gが320万円から。出荷開始は10月20日となる。

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関連リンク
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[堀 哲也,ITmedia]