エンタープライズ:ニュース 2003/10/08 16:30:00 更新


IBM、中小企業向けISVプログラムを拡充

SMB市場でMicrosoftと一騎打ちをしているIBMが、さらなる浸透を図るため、ISVプログラムを推し進めている。(IDG)

 中小企業(SMB)市場でMicrosoftと競争しているIBMは10月7日、Independent Software Vendor (ISV) Advantageプログラムを拡充して、小売り業や金融サービス、製造といった多くの特定業界が参加するプログラムにSMBが含まれることになったと発表した。

 IBMによれば、同社はこの分野でMicrosoftと正面切って対決するために、ここ4、5カ月で70社強のISVを同プログラムに引き入れ、そのうちの数社はMicrosoftのデベロッパーだったがIBMのテクノロジーをメインの環境として使うようにスイッチしたという。

 IBMのデベロッパーリレーションズ戦略およびマーケティング部門を担当する副社長、スコット・ヘブナー氏は、「多くのISVから、今後1、2年の間に将来の主要パートナーを確定する長期的な決定をしなければいけないという話を聞かされている。われわれがそのパートナーになる、とIBMは強く主張する」と述べた。「われわれはISVが特に特定市場に進出するのを支援できる良いポジションにいる。当社はビジネスインテグレーションインフラで経験と戦略を持っているからだ」と同氏。

 同プログラムに最近加わったパートナーには、Logo Business Solutions (LBS) がいる。LBSはトルコ最大の独立系ソフトウェアグループであり、トルコにおける最大のMicrosoftディストリビューターのひとつに数えられている。同社の複数通貨システム「Unity」は、Microsoft-OracleプラットフォームからIBMの「WebSphere Express」と「DB2 Express」のLinuxベース版に移行しようとしている。

 「われわれは開発者がすばやく低コストでソリューションを構築できるようなオープンプラットフォームを提供していく覚悟だ」とLBSのディレクターであるアーデム・ガルジャー氏。「当社のアプリケーションをIBMのミドルウェアと組み合わせることで、クロスプラットフォームの統合と互換性を保証できる」と同氏は述べた。

 最近IBMのISVパートナーとなった別の企業はFriedmanだ。同社は製造、販売、流通業界向けの「Frontier iProduct」ソリューションにWebSphereを採用している。

 「中小企業にとってIT化の主要な課題となっているのは、スケーラビリティーを持ったシステムと、大容量のトランザクションボリュームに耐えられるだけの信頼性を持つことだ」とFriedmanのクレイグ・ヤマウチ社長は述べる。「IBMのWebSphereサーバはこのような可能性の多くを持っている」と同氏。

 多くのSMBショップは全くの初期段階にあり、ビジネス業務を変換し、それを統合しようとしているところだ、とヘブナー氏は指摘する。しかし、たとえば自動車関連企業で使われている手法は、銀行が採用しているものとは非常に異なるものだ。

 「この共通部分において、ISVはさらにスキルを蓄え、ソリューションは特定業界向けに適したものになっていく。一方でオープンインフラストラクチャがそれを支援してくれる」とヘブナー氏。

 AMI Partnersの調べによれば、SMB市場における情報テクノロジー関連の市場規模は3000億ドルである。

 関連ニュースとして、ウェブサービスをベースにしたポータルを通して、従業員や顧客、パートナーと重要なデータを共有化できるようにするCRMベースのソリューションに特化したデベロッパーであるOnyxが、IBM WebSphere Portalのサポートに動いているという。

 IBMのビジネス・パートナー・プログラムおよびデベロッパーに関するさらに詳細な情報は、このサイトで。

[IDG Japan]

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.