エンタープライズ:ニュース 2003/10/09 07:42:00 更新


「Check Point Express」と「VPN-1 Edge」を投入したチェック・ポイントの狙い

チェック・ポイントでは、ミッドレンジ向けの「Check Point Express」とアプライアンス製品の「VPN-1 Edge」を相次いでリリースした。しかし各々ターゲットとする市場は異なるという。

 8月にリリースした「Check Point Express」、そして自社ブランドとしては初のアプライアンス製品となる「VPN-1 Edge」と、立て続けに中小規模ネットワーク向けの製品を発表したチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ。しかし同社技術部長の卯城大士氏によると、これら2つの製品は、規模は同じように見えてもまったく異なる層をターゲットにしたものだという。

 Check Point Expressは、チェック・ポイントの大規模企業向けファイアウォール/VPN製品「VPN-1/Firewall-1」の機能を、100〜500ユーザー規模のミッドレンジ市場にも提供することを目的とした製品だ。ミッドレンジ市場の要件に合わせて作り込み、投資効果を高めるように設計したというが、セキュリティ機能の面では妥協していない。

 「たとえ規模が小さかろうと、大規模な企業と同程度のセキュリティが必要だ。Check Point Expressは、そうした企業が、価格を見てセキュリティ強度を妥協するようなことのないよう、投資効果の高いソリューションになっている」(卯城氏)。

 事実、ネットワークレベルでの防御だけでなく、アプリケーションレベルのセキュリティを実現する「Application Intelligence」や「SmartDefense」をサポート。さらに、リモートクライアントにインストールされる「VPN-1 SecuRemote」と連携し、最新ポリシーの適用が行えるようになっている。これを活用することで、8月に猛威を振るったMSBlastなどの被害も未然に防ぐことができたという。

ばらつきのないセキュリティを

 一方VPN-1 Edgeは、その配下にぶら下がるユーザー数は少なくとも、中〜大企業の地方拠点やリモートオフィスなどでの利用を想定したアプライアンスだ。規模の大小はさておき、本社など、企業の中核となる拠点を守るのがVPN-1/Firewall-1やCheck Point Expressであるのに対し、VPN-1 Edgeは名称のとおり、企業ネットワークにおけるエッジ部分を防御するための製品となる。

VPN-1 Edge

子会社のSofawareと連携して開発されたというVPN-1 Edge

 VPN-1 Edgeには、「Sシリーズ」と「Xシリーズ」の2種類があり、価格はそれぞれ6万4000円、12万8000円からとなっている。いずれもVPN-1 NGソフトウェアをベースにした「VPN-1 Embedded NG」を搭載しており、マルチホーミング(マルチISP)構成が可能だ。

 「支社やリモートオフィスでは、普段は管理者が不在ということも多い。VPN-1 Edgeはそうした環境を想定して作られており、導入・設置が容易であるだけでなく、各種設定をセンター側で集中的に管理し、ポリシーを一元的に配信することができる。つまり、機器およびセキュリティポリシーのメンテナンスを自動化できる」と卯城氏は述べている。

 そのためVPN-1 Edgeは、チェック・ポイントが提供する管理システム「SmartCenter」のアーキテクチャにきっちり収まるようになっており、多くの拠点を抱える企業でもメンテナンスの手間を極力省き、管理の簡素化・効率化を実現するという。価格の面でも、コストパフォーマンスに優れた構成ということだ。

 「同じ組織なのに、拠点ごとにセキュリティレベルやリスクにばらつきが生じるケースは多い。最初の設定は同じでも、1台1台をばらばらに運用しているうちに、設定ミスなどでばらつきが出てくることもある。これに対しVPN-1 Edgeは、一元管理機能を通じてそのばらつきを最小限に抑え、企業全体で均一化された、安定したセキュリティを提供できる」(卯城氏)。同氏はさらに、こうして管理を効率化することで、投資効果の向上も実現できるとしている。

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[高橋睦美,ITmedia]