エンタープライズ:ニュース 2003/10/15 17:00:00 更新


3Gへの期待を語った携帯キャリアトップ

Telecom World 2003では、NTTドコモの立川敬二社長や英Vodafoneのアルン・サリンCEOといった携帯キャリア大手トップが、改めて3Gの可能性に期待を表明した。

 「確かに第3世代携帯電話(3G)の普及は、ヨーロッパ同様アジアでも遅れている。しかしこれは現在進行中の取り組みであり、将来的には普及に向かうだろう」――NTTドコモの立川敬二社長は、現地時間の10月13日、Telecom World 2003の会場で行われた記者会見においてこのように述べた。

 「ドイツや北欧など、いくつかの携帯キャリアでは今年後半に3Gサービスを開始するというロードマップを明らかにしていたが、今のところそうしたアナウンスはない。しかしいずれのオペレーターも、近々3Gサービスを開始したいという意向は持っているはずだ」(立川氏)。

立川氏

マイクロソフトの携帯電話業界に向けた取り組みについて、「マイクロソフトも参入したがっているようですが、オープン性が担保されれば受け入れるのにやぶさかではない」と述べた立川氏。逆に今は、オープン性に欠けているがゆえに採用を見送っているという

 日本で展開している3GサービスFOMAでも加入者数は当初の予測を下回り、9月末にようやく100万人を突破したことが報じられたばかり。しかし立川氏は、新技術とはおしなべて即座に市場に受け入れられるものではないとし、むしろ認知度向上やサービス改善に向けた努力が必要であるとした。

 立川氏はまた、特に3Gでは、映像通信が主要な開発目的の1つであることに触れ、それが今後の加入者増につながるポイントとした。今のところテレビ電話は、恋人同士か孫と会話したがる祖父母くらい、あとはビジネスマンによるテレビ会議くらいにしか使われていない。しかし「映像を利用したビジネスの改善や映像を利用したエンターテイメントが将来のキラーアプリケーションになるのではないかと見ている」(同氏)。

 また、通信の絶対量が増えるにつれて単価が下がるという法則に基づけば、料金も下げていくべきと指摘。「もともと3Gのほうが転送効率がいいため、先日、3Gの価格を大幅に下げたばかり。だが今後も3Gのパケット料金を下げる余地はあると思う」と述べている。

 ちなみに、3Gの先に控えている4Gについては、まだ研究者側の問題であり、新聞やメディアでとやかくいう段階ではないとした。「HDTVや3G画像の転送を目的に開発を進めているが、現在は屋内実験が終わり、屋外実験を始めたところ。実用化にはあと10年くらいかかるだろう」(立川氏)。

来年後半に3Gサービスを

 立川氏のこの会見を受けて、というわけではないだろうが、翌日14日にTelecom World 2003の講演に登場した英VodafoneのCEO、アルン・サリン氏も、「将来的に3Gは必須のものになり、企業のビジネスシーンや消費者の情報の受け取り方、エンターテインメントなどを根本的に変えていくだろう」と述べた。

 サリン氏は「Satisfying the Customer(顧客満足に向けて)」と題したセッションに登場したのだが、むしろ「顧客は満足したがっているのではなく、楽しみたがっている」という。そして、顧客を楽しませる重要なツールが3Gということになる。

 たとえばコンシューマー向けの分野では、「人々がモバイル化しようとするのは自然なこと」としたうえで、ショッピングやインフォテイメントといった分野の需要が高まっているという。企業向けの分野でも同様だ。3Gを通じ、企業アプリケーションの多くがモバイルに対応することによって、ビジネスのあり方が根本的に変わり、いつでもどこでもコミュニケーションが取れるようになる。「3Gは既存のITインフラを本当にモバイル化する」(同氏)

 こういった背景を考えていけば「3Gは本当の機会をもたらす。われわれは非常に積極的に3Gに取り組んでいる」(サリン氏)という。同氏によるとVodafoneでは、3Gに対し数十億ドル規模の投資を行ってきた。ただしそこでは、既存の2G携帯電話との相互接続性が重要で、シームレスに移行できるよう留意が必要という。

 「Vodafoneグループ全体として、シームレスな経験を提供できるようにしていく。来年の中ごろ以降――9月か10月には3G端末が量産体制に入り、3Gサービスを提供するというすばらしい位置に付けるだろうと予測している」(サリン氏)。

 一方で同氏はWi-Fiを利用した無線にも注目しているようだ。「当初はホットスポットサービス用に、そしてゆくゆくはわれわれのサービスを補完するために活用したい。顧客はただ、高速に接続さえできればいいのだ。簡便さを提供し、今使っているのが3GかWi-Fiいったことを気にせず利用できるようにしたい」(サリン氏)。

 サリン氏は一連のサービス展開を通じて、「モバイル向けによりよいサービスを提供し、顧客の生活を充実させ、楽しませていきたい」と述べている。

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▼ITU Telecom World 2003レポート

関連リンク
▼ITU Telecom World 2003
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[高橋睦美,ITmedia]



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