エンタープライズ:ニュース 2003/10/16 17:11:00 更新


「オペレーターからサービスプロバイダーへの転換を」とNortelのダンCEO

加Nortel Networksのフランク・ダンCEOは、Telecom World 2003の会期中に行われた記者会見の中で、インフラ志向からサービス志向への転換が必要と指摘した。

 カナダ・Nortel NetworksのCEO兼社長を務めるフランク・ダン氏が、Telecom World 2003のフォーラムに登場。「New Sources of Revenue(新たな収入源とは)」と題したセッションの基調講演において、現在のネットワークインフラに起きている高速化やインテリジェント化といった変化は、同氏が過去経験したオプティカルやワイヤレスといった変化と同等か、それ以上に重要だとした。

 同氏によるといまやネットワークには、ブロードバンド化やオプティカル技術、ワイヤレス化、音声の統合、さらにはセキュリティといったさまざまな要素が求められている。そして、これらの要素を満たすスマートなグローバルネットワークは企業の生産性向上に寄与し、消費者にさまざまなサービスを提供し、ひいてはサービスプロバイダーの収益向上につながるという、業界全体の見方につながる意見を披露した。ダン氏はまた、「こうしたグローバルなコミュニケーション技術は、発展途上国も含め、人類全体のさまざまな活動に貢献することができる」とも述べている。

 なお同氏は、その後行われた記者会見において、無自覚に使われている「ネットワークオペレーターとサービスプロバイダーという言葉の違いを認識すべきだ」と指摘している。通信事業者は「ネットワーク接続を提供するだけのオペレーターから、顧客の差別化につながるサーブビスを提供するサービスプロバイダーへと、ビジネスモデルを変更していく必要があるだろう」(同氏)。

ダンCEO

会見ではまた、「ワイヤレス通信には固定回線と同等、むしろそれ以上の信頼性や拡張性、品質が求められる」と述べたダンCEO

 また、ブロードバンド接続が前提となり、これまでよりずっと安価な次世代ネットワークが現実のものになるにつれて、「資金はもはやインフラには投下されず、サービスに向かう。いまや、こうしたサービス志向のビジネスモデルが必要とされている」(ダン氏)という。

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▼ITU Telecom World 2003レポート

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▼ITU Telecom World 2003
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[高橋睦美,ITmedia]