エンタープライズ:ニュース 2003/10/23 19:50:00 更新


SCOの「Linux税」ライセンスを購入できるのは大企業だけ?

Linuxユーザーにライセンスを売りつけるSCOの「Linux税」戦略で新たな事実が判明した。少なくとも現時点でのライセンス販売対象は、フォーチュン1000に掲載されている企業のみだとSCOが明らかにした。(IDG)

 SCOが10月21日に明らかにしたところによると、フォーチュン1000に入っていないLinuxユーザー企業は、SCO Groupが8月以来、訴訟されないための保険として提示しているソフトウェアライセンスを購入することができない。

 SCOの広報担当であるブレイク・ストーウェル氏は、「SCOはこのライセンシング計画を大企業から始め、そこから規模を引き下げて実施するつもりだ」と述べた。「SCOはこのプログラムをフォーチュン1000企業を対象に開始したが、現在の状況には満足している。それが終わったら、中小企業も対象にする予定だ」(同氏)。

 SCOはLinuxのソースコードにUNIXの知的財産権に対する侵害が多数含まれていると主張しているが、Linux陣営はこれまでに示された証拠の正当性に関して疑念ありと声を荒げている。SCOは「Intellectual Property License for Linux」を8月に発表し、Linuxユーザーは699ドルのライセンスを購入することでSCOが所有するUNIXの知的財産権の侵害を回避できると主張した。

 SCOは21日まで、Linuxライセンシング計画がフォーチュン1000企業に限定されたものであることを明らかにしていなかった。フォーチュン1000とは、世界の大企業のうち上位1000社を指す。「その当時ははっきりと言明していなかった。おそらく言うべきだったと思う」とストーウェル氏。

 8月以降、SCOのライセンスを購入しようとしていたあるLinuxユーザーは、SCOの行動に不満を抱いている。

 「最初に電話したときに、何かしらそのことを私に話してくれていたら、簡単に事は運んだろう」とLinuxベースのアプリケーションサーバを地方自治体向けに販売しているサンフランシスコのソフトウェアベンダー、Permisoftの業務担当副社長、ドリュー・ストライブ氏は述べる。

 ストライブ氏はLinux支持者であることを自認しており、SCOから購入するLinuxライセンスは1本分だけだろうと述べた。また、現在SCOライセンスを購入できないという状況でも、SCOはストライブ氏の会社が訴訟の対象になると考えるのではと心配している。

 Linuxユーザーが警告なしにSCOから訴訟を起こされるという心配はしなくてもよい、とストーウェル氏は話す。「ライセンスを購入するための公正で公平なチャンスが提供されないままで、企業が訴訟を起こされることは考えられない」と同氏。

 SCOは過去数週間、ライセンシング計画で困難が生じていることを認めている。同社は16日、ライセンス料金を2倍に引き上げる期限を11月1日まで延長すると発表した。これにより、ユーザーは余裕を持ってライセンスを低い料金で購入できるという。

 Linuxライセンスの取得に興味がある中小企業は、SCOから連絡があるまで待つようにとストーウェル氏は助言する。しかし、11月1日の締め切り日の前にSCOに連絡したユーザーには、締め切り日前にライセンス購入をしていなくても、1プロセッサ当たり699ドルの割引料金を適用すると同氏は説明する。

 ストライブ氏は、そういうことは書面で伝えるべきだと述べた。

 「『ご連絡いただきありがとうございます。ご連絡できる段階になりましたら、割引料金にてご購入いただくことができます。ところで、当社は貴社を訴えるつもりはございません』という手紙はもらっていないのだけどね」とストライブ氏は皮肉る。

 SCOはLinuxに関する知的財産を所有するFree Software Foundationなどからの訴訟を恐れ、ライセンシングの販売を慎重に進めているのかもしれない。IDCのアナリスト、ダン・クズネツキー氏は推測する。「最初のターゲットが終了したら、すべてを対象にし始めるだろう」と同氏は予測している。「SCO Groupの人間は、いったん箱を開けてしまえば二度と閉じる事はできないということを分かっているのだと思う」とグズネツキー氏。

 あるSCOのリセラーは、小規模の企業をライセンシングプログラムの対象外とする決定は、自分自身のビジネスにほとんど影響を及ぼさないだろうと話す。コンサルティング会社、A.P. Lawrenceのオーナー、トニー・ローレンス氏は、Linuxを動かしている小規模企業のほとんどは、いずれにせよSCOのライセンスを購入しないだろうと予想する。

 「小規模の企業から金を取り立てる可能性は非常に低い。なぜなら、彼らは失うものがほとんどないからだ」と同氏。「自分が持っているものがSCOなのかLinuxなのかですら知っているとは限らない。彼らがコンピュータのことを気にかけるのは、自分のマシンがクラッシュしたときだけだ」とローレンス氏。

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