エンタープライズ:ニュース 2003/10/24 17:46:00 更新


GMのCTOが予言「自動車産業は2008年までにRFIDを導入」

GMがRFIDタグの採用に向かって動き始めた。同社のCTOの話では、自動車産業全体が無線ICタグ技術の導入に動くという。(IDG)

 自動車産業は3〜5年のうちにサプライチェーンにおける部品のトラッキングRFID(無線ICタグ)テクノロジーを使うようになるだろう。そして同時期に製造された自動車は無線システムが内蔵されることになる。General Motors(GM)の最高技術責任者(CTO)、アンソニー・スコット氏はこう述べた。

 スコット氏は、GMが全世界で同社が使用しているデスクトップコンピュータ(11万〜12万台)のすべてを、Microsoftが今週発表したOffice 2003に移行することも明らかにした。

 スコット氏は10月22日、Cellular Telecommunications & Internet Associationがロサンジェルスで開催した年次カンファレンス「Wireless IT and Entertainment」において講演を行った。同氏は同会場で記者に対して、GMがOffice 2003に移行する理由はXML機能が組み込まれたからだと説明した。GMには「数多くのXML対応アプリケーション」がある、とスコット氏。

 ただし、GMはデスクトップPCのOSまで変更する予定はない、と同氏。現在のところはWindows 2000を使い続ける予定だが、将来のどこかの時点でWindows XPかそれ以降のバージョンに移行する計画はあるという。

 RFIDテクノロジーは、アンテナを装備した小さなタグにサプライチェーン用データを保存するもので、スコット氏の予想では、Wal-Mart Storesが自社のサプライチェーンへのRFIDタグ導入を決めたように、自動車産業全体が最終的にRFIDを支持するだろうという。「そうなるはずだ」とスコット氏は断言し、RFIDタグを採用するには自動車産業全体の支援が必要だと付け加えた。同氏によれば、GMは既に、MIT Auto-ID Centerと共同でRFIDタグの利用に関する標準策定を行ったという。

 スコット氏はまた、GMではWi-Fi、Bluetooth、Ultrawidebandといった短距離・高帯域テクノロジーを3〜5年のうちに採用すると予想している。このテクノロジーは、最初は高級車のみに、その後全ラインに採用されるという。こうした内蔵ワイヤレスシステムは自動車の診断や、自宅と車載オーディオ間でMP3オーディオファイルを交換したりするのに利用できる。

 こうしたワイヤレス接続技術はコンシューマーが「要求してくるだろう」と同氏。

 スコット氏は別のトピックについても話した。GMの従業員は社内ネットワークにアクセスするため、さまざまなデバイスを使用しているという。Research In MotionのBlackBerry、PalmのPDA、Hewlett-PackardのノートブックPCなど。その結果、同社ではこのようなさまざまなデバイスをサポートできる唯一の方法を採用した。それは、社内アプリケーションと電子メールにどのデバイスからでもアクセスできるミドルウェアを導入することだ。

 GMではExtended SystemsSynchrologicのミドルウェアを使っている。両社は「アプリケーションと端末デバイスを接続するための」ソフトウェアをGMに提供している。

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